皇居東御苑花だより(令和6年1月12日)

令和6年1月12日
写真 説明
ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で、江戸時代に渡来し、観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月、葉が出る前に咲く黄色い花は、内側が赤味を帯び、良い香りがします。
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox f. Concolor
中国原産で、庭木や鉢植え、花材としてよく用いられます。 ロウバイよりも花がやや大きく、内側の芯まで黄色くなります。
ウメ(玉牡丹)(バラ科)
○ウメ(玉牡丹)(バラ科)Prunus mume‘Gyokubotan’
1月中旬~3月中旬、白色、八重咲きの大輪の花を咲かせます。内側の花弁は小さく、平たく見えます。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
12月下旬~2月上旬、濃い紅色の早咲き、八重咲きで、花弁の先は丸くなっています。花つきがよく、庭木や盆栽によく用いられます。
ウメ(新冬至)(バラ科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬、直径2.5~3cmの白花を咲かせます。花期が長く、盆栽、庭木に適しています。
カンツバキ(ツバキ科)
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua‘Shishigashira’
サザンカの園芸品種とされますが、異説もあります。枝は横に広がり、あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯があります。12~2月、直径7~9cm、濃紅色、八重の花を咲かせます。大小10数枚ある花弁は、先端が浅く裂け、縁は波打ち、バラバラに散ります。
ハルサザンカ(ツバキ科)
○ハルサザンカ(ツバキ科)Camellia ×vernalis
サザンカとツバキ、主としてサザンカとヤブツバキの園芸品種が、自然交配して生まれた雑種と考えられています。12~4月に開花します。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。球形の果実は、直径5~7mm、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
クロガネモチ(実)(モチノキ科)
○クロガネモチ(実)(モチノキ科))Ilex rotunda
暖地の山野に生え、高さ20m程になり、雌雄異株です。名は若枝や葉柄の色に由来します。5~6月、直径4mm、淡紫白色の花を咲かせます。11~2月、直径5~8mm、球状の果実が赤く熟します。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
ナンテン(実)(メギ科)
○ナンテン(実)(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁