皇居東御苑花だより(令和5年12月22日)

令和5年12月22日
写真 説明
ウメ(紅冬至)(バラ科)
○ウメ(紅冬至)(バラ科)Prunus mume ‘Kotoji’
紅冬至は、早咲き、中輪一重咲きの淡い紅色のウメで、12月~2月中旬頃まで咲きます。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。球形の果実は、直径5~7mm、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
キチジョウソウ(キジカクシ科)
○キチジョウソウ(キジカクシ科)Reineckea carnea
関東以西の山野、やや湿り気のある日陰に群生する多年草です。長さ10~30cm、幅約1.2cmの線形の葉が根元から出ます。晩秋、高さ8~13cmの花茎を伸ばし、淡紅色の花を穂状に咲かせます。花が咲くと吉事があるとされ、「吉祥きちじょう草」の名があります。
ツバキ(白侘助)(ツバキ科)
○ツバキ(白侘助)(ツバキ科)Camellia japonica ‘Shiro-wabisuke’
ツバキとチャノキの雑種で、園芸種の一つです。11~3月、直径4~5cm、白色一重、ラッパ状に花を咲かせます。ツバキのようにポトッと散ります。
ツバキ(秋一番)(ツバキ科)
○ツバキ(秋一番)(ツバキ科)Camellia japonica ‘Aki-ichiban’
ツバキの早咲き品種です。10月~3月、白地に紅色の縦絞りが少し入る一重咲きの花を咲かせます。時に白又は赤一色の花も咲かせます。
ナンテン(実)(メギ科)
○ナンテン(実)(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
フユザクラ(バラ科)
○フユザクラ(バラ科)Cerasus ×parvifolia 'Fuyu-zakura'
マメザクラ系の品種で、4月上旬と10~12月の2回、花を咲かせます。花弁は5枚で、咲き始めはわずかに淡紅色を帯び、後に白色になります。春の花には花弁の先端に切れ込みがありますが、秋の花は切れ込みがないことが多く、逆に凸形になることもあります。
チャノキ(ツバキ科)
○チャノキ(ツバキ科)Camellia sinensis
鎌倉時代、中国から栄西禅師が持ち帰ったとされ、緑茶用に各地で栽培されています。刈り込まれないと高さ7~8mにもなります。10~11月、直径約2.5cm、5弁の白い花を咲かせます。果実は直径約2cm、熟すと裂け、暗褐色の種子を2~3個出します。
カンツバキ(ツバキ科)
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua ‘Shishigashira’
サザンカの園芸品種とされますが、異説もあります。枝は横に広がり、あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯があります。12~2月、直径7~9cm、濃紅色、八重の花を咲かせます。大小10数枚ある花弁は、先端が浅く裂け、縁は波打ち、バラバラに散ります。
クロガネモチ(実)(モチノキ科)
○クロガネモチ(実)(モチノキ科)Ilex rotunda
暖地の山野に生え、高さ20m程になり、雌雄異株です。名は若枝や葉柄の色に由来します。5~6月、直径4mm、淡紫白色の花を咲かせます。11~2月、直径5~8mm、球状の果実が赤く熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁