皇居東御苑花だより(令和5年12月15日)

令和5年12月15日
写真 説明
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。
タチカンツバキ(ツバキ科)
○タチカンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua ‘Kanjiro’
サザンカの園芸品種とされ、庭や公園によく植えられます。枝は縦に伸び、高さ3~5m程になります。11~2月、直径約8cm、紅色八重の花を咲かせます。
ツバキ(白侘助)(ツバキ科)
○ツバキ(白侘助)(ツバキ科)Camellia japonic ‘Shiro-wabisuke’
ツバキとチャノキの雑種で、園芸種の一つです。11~3月、直径4~5cm、白色一重、ラッパ状に花を咲かせます。ツバキのようにポトッと散ります。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。球形の果実は、直径5~7mm、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
チャノキ(ツバキ科)
○チャノキ(ツバキ科)Camellia sinensis
鎌倉時代、中国から栄西禅師が持ち帰ったとされ、緑茶用に各地で栽培されています。刈り込まれないと高さ7~8mにもなります。10~11月、直径約2.5cm、5弁の白い花を咲かせます。果実は直径約2cm、熟すと裂け、暗褐色の種子を2~3個出します。
ミヤマシキミ(実)(ミカン科)
○ミヤマシキミ(実)(ミカン科)Skimmia japonica var. japonica
林下に生え、高さ0.6~1.2mになり、雌雄異株です。葉は枝先に集まって互生し、表面は革質で光沢があります。3~5月、枝先に直径5~6mmの白い花を密に咲かせます。果実は直径8~10mm、球形で、冬に紅く熟し、有毒です。
サザンカ(ツバキ科)
○サザンカ(ツバキ科)Camellia sasanqua
九州や四国などの山地に自生し、数多く園芸種もあり、庭や公園によく植えられます。高さは普通5~6mですが、大きいものは15mにもなります。10~12月、枝先に直径4~7cmの花を咲かせます。花弁は5個で平開し、ツバキと異なり、バラバラに散ります。
キチジョウソウ(キジカクシ科)
○キチジョウソウ(キジカクシ科)Reineckea carnea
関東以西の山野、やや湿り気のある日陰に群生する多年草です。長さ10~30cm、幅約1.2cmの線形の葉が根元から出ます。晩秋、高さ8~13cmの花茎を伸ばし、淡紅色の花を穂状に咲かせます。花が咲くと吉事があるとされ、「吉祥きちじょう草」の名があります。
カンツバキ(ツバキ科))
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua ‘Shishigashira’
サザンカの園芸品種とされますが、異説もあります。枝は横に広がり、あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯があります。12~2月、直径7~9cm、濃紅色、八重の花を咲かせます。大小10数枚ある花弁は、先端が浅く裂け、縁は波打ち、バラバラに散ります。
ガマズミ(実)(ガマズミ科)
○ガマズミ(実)(ガマズミ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月に、枝の先端から小さな白花を多数咲かせます。9~10月に実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)) Lonicera gracilipes var. glandulosa
山野に生え、よく分枝して高さ1.5~2mになります。ヤマウグイスカグラの変種で、枝葉、花冠に毛が密生します。春、淡紅色の花を1~2個咲かせます。6~7月、直径約1cm、楕円形の果実は、赤く熟し、甘味があり、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁