皇居東御苑花だより(令和5年11月10日)

令和5年11月10日
写真 説明
ツルグミ(グミ科)
○ツルグミ(グミ科)Elaeagnus glabra
温暖な山地に生えるつる性低木です。小枝が変形したトゲを引っかけながら枝を伸ばします。10~11月、葉腋に淡褐色の小花を数個咲かせます。長さ1.2~1.8cm、長楕円形の果実は、翌年5月頃、赤く熟します。
リュウノウギク(キク科)
○リュウノウギク(キク科)Chrysanthemum makinoi
日当たりのよい山地に生える高さ30~90cmの多年草です。10~11月、白色のちに淡紅色となる花をつけます。和名は竜脳(りゅうのう)に似た香りの油が含まれていることに由来しています。
マンリョウ(実)(サクラソウ科)
○マンリョウ(実)(サクラソウ科)Ardisia crenata
暖地の林内に自生し、観賞用に広く栽培されています。茎は直立し、上部でまばらに小枝を出し、高さ0.3~1mになります。7月頃、小枝の先に直径約8mmの白い花を多数つけます。果実は球形で赤く熟し、縁起の良い木とされています。
シュウメイギク(キンポウゲ科)
○シュウメイギク(キンポウゲ科)Anemone hupehensis
古く中国から渡来した帰化植物と考えられています。地下茎を伸ばす多年草で、草丈50~80cmになります。秋、花茎を伸ばし、直径5~7cm、淡い紫紅色や白色の花を多数咲かせます。
ツワブキ(キク科)
○ツワブキ(キク科)Farfugium japonicum
海岸や海辺の山などに生える常緑の多年草で、高さ30~70cmになります。園芸種が多数あります。10~12月、直径5cm程の黄色の花を房状に咲かせます。葉はフキに似て厚く、表面に艶があり、この名があります。綿毛をかぶった若い葉柄のつくだ煮が「きゃらぶき」です。葉は焙って、腫れ物などに貼ったりします。
ナンテン(実)(メギ科)
○ナンテン(実)(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
クロガネモチ(実)(モチノキ科)
○クロガネモチ(実)(モチノキ科)Ilex rotunda
暖地の山野に生え、高さ20m程になります。名は若枝や葉柄の色に由来します。5~6月、直径4mm、淡紫白色の花を咲かせます。11~2月、直径5~8mm、球状の果実が赤く熟します。雌雄異株です。
ツバキ(秋一番)(ツバキ科)
○ツバキ(秋一番)(ツバキ科)Camellia japonica ‘Aki-ichiban’
ツバキの早咲き品種です。10月~3月、白地に紅色の縦絞りが少し入る一重咲きの花を咲かせます。時に白又は赤一色の花も咲かせます。
チャノキ(ツバキ科)
○チャノキ(ツバキ科)Camellia sinensis
鎌倉時代、中国から栄西禅師が持ち帰ったとされ、緑茶用に各地で栽培されています。刈り込まれないと高さ7~8mにもなります。10~11月、直径約2.5cm、5弁の白い花を咲かせます。果実は直径約2cm、熟すと裂け、暗褐色の種子を2~3個出します。
カリン(実)(バラ科)
○カリン(実)(バラ科)Pseudocydonia sinensis
中国原産で、甲信越、東北地方によく植えられています。3~5月、枝先に白や淡紅色の花を咲かせます。10~11月、長さ10~15cm、楕円形又は倒卵形の果実が黄色く熟し、芳香を放ちます。
サザンカ(ツバキ科)
○サザンカ(ツバキ科)Camellia sasanqua
九州や四国などの山地に自生し、数多く園芸種もあり、庭や公園によく植えられます。高さは普通5~6mですが、大きいものは15mにもなります。10~12月、枝先に直径4~7cmの花を咲かせます。花弁は5個で平開し、ツバキと異なり、バラバラと散ります。
ダルマギク(キク科)
○ダルマギク(キク科)Aster spathulifolius
海岸の岩場などに生える多年草で、高さ25~30cmになります。葉は厚く、両面にビロード状の密毛があります。8~11月、直径3.5~4cmの青紫色の花を枝先に1つ咲かせます。
ガマズミ(実)(ガマズミ科)
○ガマズミ(実)(ガマズミ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月に、枝の先端から小さな白花を多数咲かせます。9~10月に実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁