皇居東御苑花だより(令和5年10月27日)

令和5年10月27日
写真 説明
ヒイラギモクセイ(モクセイ科)
○ヒイラギモクセイ(モクセイ科)Osmanthus×fortunei
ギンモクセイとヒイラギの雑種で、幹は直立して高さ4~7mになります。葉は互生し、縁にはトゲ状の鋸歯があります。10月頃葉の脇や枝の先端に芳香のある白い小さな花を咲かせます。
シュウメイギク(キンポウゲ科)
○シュウメイギク(キンポウゲ科)Anemone hupehensis
古く中国から渡来した帰化植物と考えられています。地下茎を伸ばす多年草で、草丈50~80cmになります。秋、花茎を伸ばし、直径5~7cm、淡い紫紅色や白色の花を多数咲かせます。
カリン(実)(バラ科)
○カリン(実)(バラ科)Pseudocydonia sinensis
中国原産で、甲信越、東北地方によく植えられています。3~5月、枝先に白や淡紅色の花を咲かせます。10~11月、長さ10~15cm、楕円形又は倒卵形の果実が黄色く熟し、芳香を放ちます。
ユズ(実)(ミカン科)
○ユズ(実)(ミカン科)Citrus junos
中国伝来とされ、古くから広く植えられています。高さ4~6mになり、葉腋に棘、葉柄に翼があります。5~6月、枝先に直径約3cmの白い花を咲かせます。直径4~7cm、球形の果実は、秋に黄色く熟します。強い香のある果皮や果汁は料理に使われます。
ジュウガツザクラ(バラ科)
○ジュウガツザクラ(バラ科)Cerasus ×subhirtella‘Autumnalis’
4月上旬と10~12月の2回、二季咲きのサクラです。花は白色のものが多く、淡~濃紅色などもあります。秋冬に咲く花は小形で、春に咲く花はやや大形になります。
ハマギク(キク科)
○ハマギク(キク科)Nipponanthemum nipponicum
太平洋岸の崖や砂丘などに見られる日本固有の多年草で、高さ50~100cmになります。江戸時代から観賞用に栽培されています。秋、枝先に直径6cm程の白花を1輪咲かせます。
チャノキ(ツバキ科)
○チャノキ(ツバキ科)Camellia sinensis
鎌倉時代、中国から栄西禅師が持ち帰ったとされ、緑茶用に各地で栽培されています。刈り込まれないと高さ7~8mにもなります。10~11月、直径約2.5cm、5弁の白い花を咲かせます。果実は直径約2cm、熟すと裂け、暗褐色の種子を2~3個出します。
カシワバハグマ(キク科)
○カシワバハグマ(キク科))Pertya robusta
山地の林内に生える高さ30~70cmの多年草です。9~11月、茎の上部に、白っぽい小花が集まって形成された頭花を穂状につけます。名前の由来となったハグマ(白熊)とは、ヤクの尾の毛のことで、払手(ほっす:僧が法事の時に持つはたきに似た仏具)などに使われます。
サザンカ(ツバキ科)
○サザンカ(ツバキ科)Camellia sasanqua
九州や四国などの山地に自生し、数多く園芸種もあり、庭や公園によく植えられます。高さは普通5~6mですが、大きいものは15mにもなります。10~12月、枝先に直径4~7cmの花を咲かせます。花弁は5個で平開し、ツバキと異なり、バラバラと散ります。
バクチノキ(バラ科)
○バクチノキ(バラ科)Prunus zippeliana
暖地の主に沿岸地に生え、高さ10~15mになります。灰褐色の樹皮が鱗状にはがれると、紅黄色の木肌が現れます。9月頃、葉の脇から出る短い花穂に、6~7mmの白い花を密に付けます。葉は咳止め、鎮静剤に使われます。
サンシュユ(実)(ガマズミ科)
○サンシュユ(実)(ガマズミ科)Cornus officinalis
中国原産で、江戸時代、薬用として渡来しました。高さ5~10mになり、樹皮は薄く剝がれます。3月~4月上旬、黄色い小花を多数咲かせ、秋には長さ1.5cm、楕円形の果実が赤く熟します。
ガマズミ(実)(ガマズミ科)
○ガマズミ(実)(ガマズミ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月に、枝の先端から小さな白花を多数咲かせます。9~10月に実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。
アサザ(ミツガシワ科)
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁