皇居東御苑花だより(令和5年9月29日)

令和5年9月29日
写真 説明
ツリガネニンジン(キキョウ科)
○ツリガネニンジン(キキョウ科)Adenophora triphylla var. japonica
日本各地に普通に見られる多年草です。8~10月、40~100cmに伸びた茎の先に、淡紫色の鐘型の花を咲かせます。根は白く肥厚し、薬用となります。
シロヨメナ(キク科)
○シロヨメナ(キク科)Aster leiophyllus var. leiophyllus
本州、四国、九州の山地に分布する多年草です。茎は細長く直立し高さ30~90cmになります。葉は短かい柄があって互生し、上面は緑色で光沢があります。白色黄心の頭花を散房状につけます。
ヒガンバナ(ヒガンバナ科)
○ヒガンバナ(ヒガンバナ科)Lycoris radiata
人里近くに群生する多年草です。中国から渡来して広がったといわれます。高さ30~50cmの花茎に赤色の花を輪状に咲かせます。花の後、線形の葉を広げ、冬の間に球根に養分を蓄えます。和名は彼岸の頃に花が咲くことに因みます。
ススキ(イネ科)
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られ、高さ1~2mになる大形の多年草です。2個ずつ対となる小穂を密に付けた花穂は、長さ20~30cm、白色又は黄褐色、時に紫色を帯びます。秋の七草の一つで、尾花とも呼ばれ、茅の一種です。
シラヤマギク(キク科)
○シラヤマギク(キク科)Aster scaber
山地や丘陵などに普通に見られる、高さ1~1.5mの多年草です。茎や葉にはザラザラした毛が生えています。8~10月、直径2cmほどの白い花をつけます。春の若苗は、ヨメナに対しムコナと呼んで食用にもなります。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
ヤマホトトギス(ユリ科)
○ヤマホトトギス(ユリ科)Tricyrtis macropoda
山野の林内に生える多年草で、高さ40~70cmになります。7~9月、茎の上部に数個開く白い花は、外側に反り、紫色又は黄色の斑点があります。 
ウド(ウコギ科)
○ウド(ウコギ科)Aralia cordata
春の山菜としておなじみで、高さ1~1.5mになる大形の多年草です。全体に短毛が生えています。8~9月、茎の上部に、淡緑色、3mmほどの小さな花を球状に多数咲かせます。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林内に生える多年草です。長さ30~80cm、幅7~15mmの線形の葉は厚く、光沢のある深緑色です。7~9月、高さ30~50cmに伸びた花茎の先に、白色又は淡紫色の小花を咲かせます。
アサザ(ミツガシワ科)
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来すると言われています。
コムラサキ(実)(シソ科)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気が多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数咲かせます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。 
シロミノコムラサキ(シソ科)
○シロミノコムラサキ(シソ科)Callicarpa dichotoma f. albifructa
紫色の実をつけるコムラサキの品種で、高さ1~2mになります。6~7月、葉の脇近くから伸びた花軸に白色の小花を多数つけます。8~11月、直径約3mmの果実は、真っ白に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁