皇居東御苑花だより(令和5年9月15日)

令和5年9月15日
写真 説明
カシワバハグマ(キク科)
○カシワバハグマ(キク科)Pertya robusta
山地の林内に生える高さ30~70cmの多年草です。9~11月、茎の上部に、白っぽい小花が集まって形成された頭花を穂状につけます。名前の由来となったハグマ(白熊)とは、ヤクの尾の毛のことで、払手(ほっす:僧が法事の時に持つはたきに似た仏具)などに使われます。
センニンソウ(キンポウゲ科)
○センニンソウ(キンポウゲ科)Clematis terniflora
本各地の野原などに見られる木質のつる性植物です。8~9月、直径2~3cm、4枚の萼片からなる白色の花を多数咲かせます。「ウマクワズ」の別名を持つ有毒植物です。
クサギ(シソ科)(実)
○クサギ(シソ科)(実)Clerodendron trichotomum
山野の林緑や川岸など日当りの良い所に生え、高さ3~5mになります。枝葉を傷つけると強い臭いがします。8~9月、枝先の長い柄に、直径2~2.5cm、深く5裂する白花を集めて咲かせます。秋、果実は藍色に熟し、赤い顎が花弁のように残ります。果実は草木染に使われます。
アメリカヤマボウシ(実)(ミズキ科)
○アメリカヤマボウシ(実)(ミズキ科)Cornus florida
別名ハナミズキとも言います。米国東海岸からメキシコに分布し、1912年にワシントンに贈ったサクラの返礼に日本へ贈られた木として知られます。高さ5~12m、よく分枝し、秋には美しく紅葉し、枝先に赤い実をつけます。
ツルボ(キジカクシ科)
○ツルボ(キジカクシ科)Barnardia japonica
山地の日当たりの良いところに生える多年草です。初秋の頃、葉の間から20~40cmの花茎を伸ばし、先端に淡紫色の花を多数咲かせます。スルボ、ズイベラなど地方名が多くあります。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
サルスベリ(ミソハギ科)
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
ヒツジグサ(スイレン科)
○ヒツジグサ(スイレン科)Nymphaea tetragona
池沼に生える多年生の水草です。水底から葉柄が伸び、光沢のある葉が水面に浮かびます。6~9月、長い花柄の先に白色の清楚な花が1個開きます。未の刻(午後2時)に開くので、未草と呼ばれます。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来すると言われています。
ヒツジグサ
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
コウホネ(スイレン科)
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林内に生える多年草です。長さ30~80cm、幅7~15mmの線形の葉は厚く、光沢のある深緑色です。7~9月、高さ30~50cmに伸びた花茎の先に、白色又は淡紫色の小花を咲かせます。 
ススキ(イネ科)
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られ、高さ1~2mになる大形の多年草です。2個ずつ対となる小穂を密に付けた花穂は、長さ20~30cm、白色又は黄褐色、時に紫色を帯びます。秋の七草の一つで、尾花とも呼ばれ、茅の一種です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁