皇居東御苑花だより(令和5年9月8日)

令和5年9月8日
写真 説明
ヌスビトハギ
○ヌスビトハギ(マメ科)Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum
高さ90cmほどになる多年草です。まばらに葉を互生します。7~9月、葉は3出複葉で小葉は卵形で葉のわきから花序をだし、淡紅色の蝶形花をまばらにつけます。和名は盗人萩で、盗人のしのび足の足跡に節果の形が似ていることによります。
ツルボ
○ツルボ(キジカクシ科)Barnardia japonica
山地の日当たりの良いところに生える多年草です。初秋の頃、葉の間から20~40cmの花茎を伸ばし、先端に淡紫色の花を多数咲かせます。スルボ、ズイベラなど地方名が多くあります。
コムラサキ(実)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気の多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数咲かせます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。
シロミノコムラサキ(実)
○シロミノコムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma f. albifructa
紫色の実をつけるコムラサキの品種で、高さ1~2mになります。6~7月、葉の脇近くから伸びた花軸に白色の小花を多数つけます。8~11月、直径約3mmの果実は、真っ白に熟します。
シラヤマギク
○シラヤマギク(キク科)Aster scaber
山地や丘陵などに普通に見られる、高さ1~1.5mの多年草です。茎や葉にはザラザラした毛が生えています。8~10月、直径2cmほどの白い花をつけます。春の若苗は、ヨメナに対しムコナと呼んで食用にもなります。
ウメモドキ(実)
○ウメモドキ(実)(モチノキ科)Ilex serrata
山中や湿地に生える落葉低木です。6月頃、葉の付け根にウメに似た淡紫色の花を咲かせます。直径約5mm、球形の果実は赤く熟し、小鳥が好んで食べます。晩秋から初冬にかけて、枝いっぱいに残る実が美しいことから、庭木としてよく植えられます。
オミナエシ
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
ヤブラン
○ヤブラン(キジカクシ科)Liriope muscari
山地の木陰に生える多年草です。葉は長さ30~50cmの線形で、光沢があります。8~10月、高さ30~50cmの花茎に、淡紫色の小さな花を多数つけます。直径6~7mmの果実は種子が露出し、紫黒色に熟します。和名はやぶに生え、ランの葉に似ていることによります。
ススキ
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られ、高さ1~2mになる大形の多年草です。2個ずつ対となる小穂を密に付けた花穂は、長さ20~30cm、白色又は黄褐色、時に紫色を帯びます。秋の七草の一つで、尾花とも呼ばれ、茅の一種です。
ヒツジグサ
○ヒツジグサ(スイレン科)Nymphaea tetragona
池沼に生える多年生の水草です。水底から葉柄が伸び、光沢のある葉が水面に浮かびます。6~9月、長い花柄の先に白色の清楚な花が1個開きます。未の刻(午後2時)に開くので、未草と呼ばれます。
ヒメコウホネ
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来すると言われています。
アサザ
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
サルスベリ
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。 

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁