皇居東御苑花だより(令和5年9月1日)

令和5年9月1日
写真 説明
クコ(ナス科)
○クコ(ナス科)Lycium chinense
土手や道端などに生え、高さ1~2mになります。茎は根元から多数に分かれ、枝は弓状に垂れ、小枝が刺状になります。7~11月、5裂する薄紫色の小花を咲かせます。長さ1.5~2cm、楕円形の果実は、橙紅色に熟し、食されます。
シラヤマギク(キク科)
○シラヤマギク(キク科)Aster scaber
山地や丘陵などに普通に見られる、高さ1~1.5mの多年草です。茎や葉にはザラザラした毛が生えています。8~10月、直径2cmほどの白い花をつけます。春の若苗は、ヨメナに対しムコナと呼んで食用にもなります。
ツルボ(キジカクシ科)
○ツルボ(キジカクシ科)Barnardia japonica
山地の日当たりの良いところに生える多年草です。初秋の頃、葉の間から20~40cmの花茎を伸ばし、先端に淡紫色の花を多数咲かせます。スルボ、ズイベラなど地方名が多くあります。
シロミノコムラサキ(実)(シソ科)
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られ、高さ1~2mになる大形の多年草です。2個ずつ対となる小穂を密に付けた花穂は、長さ20~30cm、白色又は黄褐色、時に紫色を帯びます。秋の七草の一つで、尾花とも呼ばれ、茅の一種です。
ノシラン(キジカクシ科)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気の多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数咲かせます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。
シロミノコムラサキ(実)(シソ科)
○シロミノコムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma f. albifructa
紫色の実をつけるコムラサキの品種で、高さ1~2mになります。6~7月、葉の脇近くから伸びた花軸に白色の小花を多数つけます。8~11月、直径約3mmの果実は、真っ白に熟します。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
コウホネ(スイレン科)
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
ススキ(イネ科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来すると言われています。
アサザ(ミツガシワ科)
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
ヤブミョウガ(実)(ツユクサ科)
○ヤブミョウガ(実)(ツユクサ科)Pollia japonica
山地の林内などに群生する多年草で、高さ50~90cmになります。ミョウガに似る葉が6~7枚車輪状に並びます。7~9月、茎の上部に直径7~10mmの白花を集めて咲かせます。果実は青藍色に熟します。
キンカン(ミカン科)
○キンカン(ミカン科)Fortunella japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林内に生える多年草です。長さ30~80cm、幅7~15mmの線形の葉は厚く、光沢のある深緑色です。7~9月、高さ30~50cmに伸びた花茎の先に、白色又は淡紫色の小花を咲かせます。 

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁