皇居東御苑花だより(令和5年8月25日)

令和5年8月25日
写真 説明
ヒツジグサ(スイレン科)
○ヒツジグサ(スイレン科)Nymphaea tetragona
池沼に生える多年生の水草です。水底から葉柄が伸び、光沢のある葉が水面に浮かびます。6~9月、長い花柄の先に白色の清楚な花が1個開きます。未の刻(午後2時)に開くので、未草と呼ばれます。
アキノタムラソウ(シソ科)
○アキノタムラソウ(シソ科)Salvia japonica
東アジアの温帯、暖帯に広く分布する多年草です。茎は四角で20~80cmになります。茎は上部で枝分かれし、先端に青紫色の唇形花を何段かに輪生します。
コムラサキ(実)(シソ科)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気の多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数咲かせます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。
シロミノコムラサキ(実)(シソ科)
○シロミノコムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma f. albifructa
紫色の実をつけるコムラサキの品種で、高さ1~2mになります。6~7月、葉の脇近くから伸びた花軸に白色の小花を多数つけます。8~11月、直径約3mmの果実は、真っ白に熟します。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林内に生える多年草です。長さ30~80cm、幅7~15mmの線形の葉は厚く、光沢のある深緑色です。7~9月、高さ30~50cmに伸びた花茎の先に、白色又は淡紫色の小花を咲かせます。 
ウド(ウコギ科)
○ウド(ウコギ科)Aralia cordata
春の山菜としておなじみの、高さ1~1.5mになる大形の多年草です。全体に短毛が生えています。8~9月、茎の上部に、淡緑色、3mmほどの小さな花を球状に多数咲かせます。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
コバギボウシ(キジカクシ科)
○コバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldii
日当たりの良い湿地に生える多年草です。7~8月、高さ30~60cmの花茎の先に、長さ4~5cm、淡紫色、漏斗型の花を集めて咲かせます。
ススキ(イネ科)
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られ、高さ1~2mになる大形の多年草です。2個ずつ対となる小穂を密に付けた花穂は、長さ20~30cm、白色又は黄褐色、時に紫色を帯びます。秋の七草の一つで、尾花とも呼ばれ、茅の一種です。
カイコウズ(マメ科)
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6~9月、枝先に長さ7~8cm程の赤い花を咲かせます。
ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)
○ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)Helianthus annuus
北米原産の1年草です。平成17年1月、上皇上皇后両陛下が阪神淡路大震災10周年追悼式典にご出席の際、被災した少女の名に因んだ「はるかのひまわり」の種子が、遺族代表から両陛下に贈られました。皇居東御苑では、両陛下がお育てになったヒマワリを代々受け継いでいます。
ヤブラン(キジカクシ科)
○ヤブラン(キジカクシ科)Liriope muscari
山地の木陰に生える多年草です。葉は長さ30~50cmの線形で、光沢があります。8~10月、高さ30~50cmの花茎に、淡紫色の小さな花を多数つけます。直径6~7mmの果実は種子が露出し、紫黒色に熟します。和名はやぶに生え、ランの葉に似ていることによります。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁