皇居東御苑花だより(令和5年8月18日)

令和5年8月18日
写真 説明
コムラサキ(実)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気の多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数咲かせます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。
シロミノコムラサキ(実)
○シロミノコムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma f. albifructa
紫色の実をつけるコムラサキの品種で、高さ1~2mになります。6~7月、葉の脇近くから伸びた花軸に白色の小花を多数つけます。8~11月、直径約3mmの果実は、真っ白に熟します。
ウド
○ウド(ウコギ科)Aralia cordata
春の山菜としておなじみの、高さ1~1.5mになる大形の多年草です。全体に短毛が生えています。8~9月、茎の上部に、淡緑色、3mmほどの小さな花を球状に多数咲かせます。
ノシラン
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林内に生える多年草です。長さ30~80cm、幅7~15mmの線形の葉は厚く、光沢のある深緑色です。7~9月、高さ30~50cmに伸びた花茎の先に、白色又は淡紫色の小花を咲かせます。 
キツネノカミソリ
○キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)Lycoris sanguinea var. sanguinea
山野に生える多年草です。球根から伸びた細長い葉は夏前には枯れ、その後に30~50cmの花茎を伸ばします。8~9月に黄赤色の花を3~5個咲かせます。有毒植物です。
サルスベリ
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
コバギボウシ
○コバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldii
日当たりの良い湿地に生える多年草です。7~8月、高さ30~60cmの花茎の先に、長さ4~5cm、淡紫色、漏斗型の花を集めて咲かせます。
サンゴジュ(実)
○サンゴジュ(実)(ガマズミ科)Viburnum odoratissimum var. awabuki
海岸沿いの山地に自生し、庭や公園によく植えられます。6~7月、枝先に長さ5~15cmの花序を出し、直径5~7mm、盃型の白花を多数咲かせます。8~10月、赤い果軸~果実は名の由来、サンゴを連想させて、藍黒色に熟します。
ヒマワリ(はるかのひまわり)
○ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)Helianthus annuus
北米原産の1年草です。平成17年1月、上皇上皇后両陛下が阪神淡路大震災10周年追悼式典にご出席の際、被災した少女の名に因んだ「はるかのひまわり」の種子が、遺族代表から両陛下に贈られました。皇居東御苑では、両陛下がお育てになったヒマワリを代々受け継いでいます。
ヤブミョウガ(実)
○ヤブミョウガ(実)(ツユクサ科)Pollia japonica
山地の林内などに群生する多年草で、高さ50~90cmになります。ミョウガに似る葉が6~7枚車輪状に並びます。7~9月、茎の上部に直径7~10mmの白花を集めて咲かせます。果実は青藍色に熟します。
オミナエシ
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
ムクゲ
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸品種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
キンカン
○キンカン(ミカン科)Fortunella japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁