皇居東御苑花だより(令和5年8月4日)

令和5年8月4日
写真 説明
ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)
○ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)Helianthus annuus
北米原産の1年草です。平成17年1月、上皇上皇后両陛下が阪神淡路大震災10周年追悼式典にご出席の際、被災した少女の名に因んだ「はるかのひまわり」の種子が、遺族代表から両陛下に贈られました。皇居東御苑では、両陛下がお育てになったヒマワリを代々受け継いでいます。
タマアジサイ(アジサイ科)
○タマアジサイ(アジサイ科)Hydrangea involucrata
山地の谷川沿いに生える落葉低木で、よく分枝して高さ1.5~2mになります。8~9月、枝先のつぼみが開くと、淡紫色の小さな両性花が多数現れ、直径2~3cmの白い装飾花がそれらを囲みます。つぼみが球形であることから、この名があります。
カワラナデシコ(ナデシコ科)
○カワラナデシコ(ナデシコ科)Dianthus superbus var. longicalycinus
山野の日当たりのよい草原や河原などに生える多年草です。茎は直立し、上部で枝分かれして30~100cmになります。7~10月、淡紅紫色の可憐な花が咲きます。
ヤブミョウガ(ツユクサ科)
○ヤブミョウガ(ツユクサ科)Pollia japonica
山地の林内などに群生する多年草で、高さ50~90cmになります。ミョウガに似る葉が6~7枚車輪状に並びます。7~9月、茎の上部に直径7~10mmの白花を集めて咲かせます。果実は青藍色に熟します。
サルスベリ(ミソハギ科)
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
サンゴジュ(実)(ガマズミ科)
○サンゴジュ(実)(ガマズミ科)Viburnum odoratissimum var. awabuki
海岸沿いの山地に自生し、庭や公園によく植えられます。6~7月、枝先に長さ5~15cmの花序を出し、直径5~7mm、盃型の白花を多数咲かせます。8~10月、赤い果軸~果実は名の由来、サンゴを連想させて、藍黒色に熟します。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。
フヨウ(アオイ科)
○フヨウ(アオイ科)Hibiscus mutabilis
高知県や九州南部などの暖かい沿海地に自生し、高さ1~4mになります。葉は掌状に浅く3~7裂します。7~10月、枝の上部に、直径10~14cm、白色や淡紅色の花が開きます。朝咲いて夕方しぼむ一日花で、毎日次々と開花します。
モクゲンジ(実)(ムクロジ科)
○モクゲンジ(実)(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院によく植えられ、高さ約20mになります。7~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数つけます。果実は袋状で、直径7mmの硬い種子は数珠の材料にもなります。
アサザ(ミツガシワ科)
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸品種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
○キョウチクトウ(キョウチクトウ科)Nerium oleander var. indicum
インド原産で、江戸時代に渡来したとされています。都会や工場の緑化に適した花木として用いられますが、有毒植物です。高さ3~6mになり、6~9月、枝先に直径4~5cm、紅色、淡紅色、白色等の花を多数咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁