皇居東御苑花だより(令和5年7月21日)

令和5年7月21日
写真 説明
フヨウ(アオイ科)
○フヨウ(アオイ科)Hibiscus mutabilis
高知県や九州南部などの暖かい沿海地に自生し、高さ1~4mになります。葉は掌状に浅く3~7裂します。7~10月、枝の上部に、直径10~14cm、白色や淡紅色の花が開きます。朝咲いて夕方しぼむ一日花で、毎日次々と開花します。
ヤブラン(キジカクシ科)
○ヤブラン(キジカクシ科)Liriope muscari
山地の木陰に生える多年草です。葉は長さ30~50cmの線形で、光沢があります。8~10月、高さ30~50cmの花茎に、淡紫色の小さな花を多数つけます。直径6~7mmの果実は種子が露出し、紫黒色に熟します。和名はやぶに生え、ランの葉に似ていることによります。
カクレミノ(ウコギ科)
○カクレミノ(ウコギ科)Dendropanax trifidus
暖地の沿岸に生え、高さ2~8mになります。2~3裂する葉の形が「蓑」に似ることから名付けられました。6~8月、黄緑色又はクリーム色の小花を多数咲かせます。
キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
○キョウチクトウ(キョウチクトウ科)Nerium oleander var. indicum
インド原産で、江戸時代に渡来したとされています。都会や工場の緑化に適した花木として用いられますが、有毒植物です。高さ3~6mになり、6~9月、枝先に直径4~5cm、紅色、淡紅色、白色等の花を多数咲かせます。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸品種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
モクゲンジ(実)(ムクロジ科)
○モクゲンジ(実)(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院によく植えられ、高さ約20mになります。7~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数つけます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料にもなります。
クサギ(シソ科)
○クサギ(シソ科)Clerodendron trichotomum
山野の林緑や川岸など日当りの良い所に生え、高さ3~5mになります。枝葉を傷つけると強い臭いがします。8~9月、枝先の長い柄に、直径2~2.5cm、深く5裂する白花を集めて咲かせます。秋、果実は藍色に熟し、赤い顎が花弁のように残ります。果実は草木染に使われます。
ゴンズイ(実)(ミツバウツギ科)
○ゴンズイ(実)(ミツバウツギ科)Euscaphis japonica
山地に生え、高さ5~8mになります。5~6月、枝先のよく分枝した花序に、直径4~5mm、淡黄緑色の花を多数咲かせます。袋状の果実が赤く熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れます。
ヤマユリ(ユリ科)
○ヤマユリ(ユリ科)Lilium auratum
日本特産のユリで、高さ1~1.5mになります。6~8月、直径15~18cmの白い花を咲かせ、強い芳香を放ちます。地下茎はユリ根として食用になります。
サルスベリ(ミソハギ科)
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
コウホネ(スイレン科)
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
ボケ(実)(バラ科)
○ボケ(実)(バラ科)Chaenomeles speciosa
中国原産で平安時代に渡来し、広く庭木として植えられ、多くの園芸品種があります。九州などでは野生化しています。3~4月、赤や白の花を咲かせ、7~8月、長さ8~10cm、楕円形の果実が黄色に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁