皇居東御苑花だより(令和5年7月14日)

令和5年7月14日
写真 説明
モクゲンジ(実)(ムクロジ科)
○モクゲンジ(実)(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院によく植えられ、高さ約20mになります。7~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数つけます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料にもなります。
クサギ(シソ科)
○クサギ(シソ科)Clerodendron trichotomum
山野の林緑や川岸など日当りの良い所に生え、高さ3~5mになります。枝葉を傷つけると強い臭いがします。8~9月、枝先の長い柄に、直径2~2.5cm、深く5裂する白花を集めて咲かせます。秋、果実は藍色に熟し、赤い顎が花弁のように残ります。果実は草木染に使われます。
ノリウツギ(ミナヅキ)(アジサイ科)
○ノリウツギ(ミナヅキ)(アジサイ科)Hydrangea paniculata f. grandiflora
ノリウツギの園芸品種で、庭によく植えられます。円錐形に集まった花は、ガクだけが大きくなって、果実の出来ない飾り花になったものです。
カワラナデシコ(ナデシコ科)
○カワラナデシコ(ナデシコ科)Dianthus superbus var. longicalycinus
山野の日当たりのよい草原や河原などに生える多年草です。茎は直立し、上部で枝分かれして30~100cmになります。7~10月、淡紅紫色の可憐な花が咲きます。
ヤマユリ(ユリ科)
○ヤマユリ(ユリ科)Lilium auratum
日本特産のユリで、高さ1~1.5mになります。6~8月、直径15~18cmの白い花を咲かせ、強い芳香を放ちます。地下茎はユリ根として食用になります。
サルスベリ(ミソハギ科)
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
キンカン(ミカン科)
○キンカン(ミカン科)Fortunella japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
○キョウチクトウ(キョウチクトウ科)Nerium oleander var. indicum
インド原産で、江戸時代に渡来したとされています。都会や工場の緑化に適した花木として用いられますが、有毒植物です。高さ3~6mになり、6~9月、枝先に直径4~5cm、紅色、淡紅色、白色等の花を多数咲かせます。
オニユリ(ユリ科)
○オニユリ(ユリ科)Lilium lancifolium
人里近くに見られる多年草です。7~8月、1~2mの茎の先端に直径10~12cmの花を4~20輪咲かせます。葉の脇に黒紫色のムカゴをつけ、地上に落下すると根を出して成長します。
ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)
○ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)Abelia×grandiflora
中国原産のシナツクバネウツギと欧州産のユニフローラの交配種です。大正末期に渡来し、生垣などに広く植えられています。よく分枝し、高さ1~2mになります。5~11月、枝先にやや淡紅色を帯びた白花を多数咲かせ、淡い芳香を放ちます。別名アベリアです。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
ボケ(実)(バラ科)
○ボケ(実)(バラ科)Chaenomeles speciosa
中国原産で平安時代に渡来し、広く庭木として植えられ、多くの園芸品種があります。九州などでは野生化しています。3~4月、赤や白の花を咲かせ、7~8月、長さ8~10cm、楕円形の果実が黄色に熟します。
ヤブミョウガ(ツユクサ科)
○ヤブミョウガ(ツユクサ科)Pollia japonica
山地の林内などに群生する多年草で、高さ50~90cmになります。ミョウガに似る葉が6~7枚車輪状に並びます。7~9月、茎の上部に直径7~10mmの白花を集めて咲かせます。果実は青藍色に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁