皇居東御苑花だより(令和5年7月7日)

令和5年7月7日
写真 説明
オニユリ(ユリ科)
○オニユリ(ユリ科)Lilium lancifolium var.lancifolium
人里近くに見られる多年草です。7~8月、1~2mの茎の先端に直径10~12cmの花を4~20輪咲かせます。葉の脇に黒紫色のムカゴをつけ、地上に落下すると根を出して成長します。
ヤマユリ(ユリ科)
○ヤマユリ(ユリ科)Lilium auratum var.auratum
日本特産のユリで、高さ1~1.5mになります。6~8月、直径15~18cmの白い花を咲かせ、強い芳香を放ちます。地下茎はユリ根として食用になります。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
キンカン(ミカン科)
○キンカン(ミカン科)Fortunella japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
キヌタソウ(アカネ科)
○キヌタソウ(アカネ科)Galium kinuta
林内や縁辺に見られる多年草です。輪生する4枚の葉に3本の脈が目立ちます。7~8月、4裂した白い小花を茎の上部に多数咲かせます。和名は、果実を砧(衣類を柔らかくするために使う木槌)に見立てたものとされます。
タイサンボク(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産で、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。
ハマナス(実)(バラ科)
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花を1~3輪咲かせ、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
トウフジウツギ(フジウツギ科)
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先に長さ4~20cmの花序をつけ、長さ1~2cm、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
ヤブカンゾウ(ススキノキ科)
○ヤブカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. kwanso
野原や堤、林縁などに見られる多年草です。80~100cmの花茎の先に、直径約8cm、橙赤色の八重咲きの花を数輪咲かせます。若芽、若葉は食されます。別名ワスレグサ。
ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)
○ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)Abelia×grandiflora
中国原産のシナツクバネウツギと欧州産のユニフローラの交配種です。大正末期に渡来し、生垣などに広く植えられています。よく分枝し、高さ1~2mになります。5~11月、枝先にやや淡紅色を帯びた白花を多数咲かせ、淡い芳香を放ちます。別名アベリア。
ノカンゾウ(ススキノキ科)
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草で、忘れ草の一種です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。
ヤブミョウガ(ツユクサ科)
○ヤブミョウガ(ツユクサ科)Pollia japonica
山地の林内などに群生する多年草で、高さ50~90cmになります。ミョウガに似る葉が6~7枚車輪状に並びます。7~9月、茎の上部に直径7~10mmの白花を集めて咲かせます。果実は青藍色に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁