皇居東御苑花だより(令和5年6月23日)

令和5年6月23日
写真 説明
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
クコ(ナス科)
○クコ(ナス科)Lycium chinense
土手や道端などに生え、高さ1~2mになります。茎は根元から多数に分かれ、枝は弓状に垂れ、小枝が刺状になります。7~11月、5裂する薄紫色の小花を咲かせます。長さ1.5~2cm、楕円形の果実は、橙紅色に熟し、食されます。
ヤブミョウガ(ツユクサ科)Pollia japonica
○ヤブミョウガ(ツユクサ科)Pollia japonica
山地の林内などに群生する多年草で、高さ50~90cmになります。ミョウガに似る葉が6~7枚車輪状に並びます。7~9月、茎の上部に直径7~10mmの白花を集めて咲かせます。果実は青藍色に熟します。
オオバギボウシ(キジカクシ科)
○オオバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldiana var.sieboldiana
山地の草原や丘陵地などに生える多年草です。7~8月、漏斗形の淡紫色又は白色の花を多数咲かせます。葉は卵状楕円形、長さ30~40cmになり、新芽の若葉はウルイと呼ばれ、食されます。
ヤマモモ(実)(ヤマモモ科)
○ヤマモモ(実)(ヤマモモ科)Myrica rubra
暖地の山地に生え、高さ約25mになります。雌雄異株で、4月頃、花穂に目立たない小花を咲かせます。直径1~2cm、多数の突起がある果実は、夏に赤く熟し、甘酸っぱい味がします。
モクゲンジ(ムクロジ科)
○モクゲンジ(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院によく植えられ、高さ約20mになります。6~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数咲かせます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料になります。
キョウチクトウ(キョウチクトウ科
○キョウチクトウ(キョウチクトウ科)Nerium oleander var. indicum
インド原産で、江戸時代に渡来したとされています。都会や工場の緑化に適した花木として用いられますが、有毒植物です。高さ3~6mになり、6~9月、枝先に直径4~5cm、紅色、淡紅色、白色等の花を多数咲かせます。
センリョウ(センリョウ科)
○センリョウ(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。直径5~7mm、球形の果実は、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
ハマギク(キク科)
○ハマギク(キク科)Nipponanthemum nipponicum
太平洋岸の崖や砂丘などに見られる日本固有の多年草で、高さ50~100cmになります。江戸時代から観賞用に栽培されています。秋、枝先に直径6cm程の白花を1輪咲かせます。
ノリウツギ(アジサイ科)
○ノリウツギ(アジサイ科)Hydrangea paniculata
日当たりの良い山野に生え、高さ2~4mになります。7~8月、枝先に多数の小さな両性花と直径1~5cmの白色又は淡紅色の装飾花を咲かせます。樹液が和紙作りの糊に利用されていたことが名の由来です。
ノカンゾウ(ススキノキ科)
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草で、忘れ草の一種です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。
ガクアジサイ(アジサイ科)
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。
タイサンボク(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁