皇居東御苑花だより(令和5年4月21日)

令和5年4月21日
写真 説明
ハクウンボク(エゴノキ科)
○ハクウンボク(エゴノキ科)Styrax obassia
山地に生え、高さ6~15mになります。5~6月、長さ10~20cmの花序に20輪程の白花を集めて咲かせます。9月、直径1.4~1.7cm、卵形の果実が熟すと、褐色の種子が一粒現れます。
ツリバナ(ニシキギ科)
○ツリバナ(ニシキギ科)Euonymus oxyphyllus
山地に生え、高さ4m程になります。5~6月、6~15cmの花柄に、直径6~7mm、淡緑色又はやや淡紫色を帯びた花を咲かせます。朱色の実は球形で、熟して5裂すると、種子が5粒現れます。
チョウジソウ(キョウチクトウ科)
○チョウジソウ(キョウチクトウ科)Amsonia elliptica
湿った草地に生える高さ60cm程の多年草です。葉は互生し、細長く、先が尖ります。5月~6月、茎の先端に、直径約1.5cmの星形、青紫色の花を多数咲かせます。
タニウツギ(スイカズラ科)
○タニウツギ(スイカズラ科)Weigela hortensis
主に日本海側の日当たりの良い山野に自生します。よく分枝して、高さ2~5mになります。5~7月、長さ約3cmの漏斗状、淡紅色又は紅色の花を咲かせます。別名ベニウツギとしても親しまれ、100を超える地方名があります。
カラタネオガタマ(モクレン科)
○カラタネオガタマ(モクレン科)Michelia figo
江戸中期に中国から渡来し、暖地の神社や庭に植えられています。高さ3~5mになります。5~6月、直径約3cm、縁は淡紫色を帯びた黄白色の花を咲かせ、バナナのような香りを放ちます。
コウシンバラ(バラ科)
○コウシンバラ(バラ科)Rosa chinensis
バラの原種の一つで、古くから栽培されています。枝先に四季咲きの花を1~数輪咲かせます。花冠は直径5~7cm、淡紅色~紅色で、基部は白色です。
ヒョウタンボク(スイカズラ科)
○ヒョウタンボク(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
ヒメウツギ(アジサイ科)
○ヒメウツギ(アジサイ科)Deutzia gracilis
山地の岩上などに生え、高さ1~1.5mになります。5~6月、枝先に直径1~1.5cmの白花を多数咲かせます。5枚の花弁に囲まれた10本の雄しべは、こびとが両手を広げたようです。
キンラン(ラン科)
○キンラン(ラン科)Cephalanthera falcata
山地や丘陵の木陰に生える高さ30~50cmの多年草です。4~5月頃、茎先に直径約1cm、黄色い花を10輪ほど咲かせます。花の色から金蘭(きんらん)と名付けられました。
ギンラン(ラン科)
○ギンラン(ラン科)Cephalanthera erecta
山地や丘陵の木陰に生える高さ10~30cmの多年草です。5~6月頃、茎先に咲く3~5輪の白花は長さ1cmほどで平開しません。花の色から銀蘭(ぎんらん)と名付けられました。
エビネ(ラン科)
○エビネ(ラン科)Calanthe discolor
山地の林内や竹林などに生える多年草です。4~5月、高さ30~40cmの花茎の上部に、萼片が紫褐色、花弁が白色又は淡紫色の花を多数咲かせます。和名は球茎が連なる形をエビに見立てたことによります。
オドリコソウ(シソ科)
○オドリコソウ(シソ科)Lamium album var. barbatum
東アジアの温帯に広く分布する多年草です。湿った場所で群落をつくり、高さ30~50cmになります。4~6月、上部の葉の脇に、白色又は淡紅紫色、唇形の花を数輪集めて咲かせます。和名は花の形を笠をかぶった踊子に見立てたことよります。
ホウチャクソウ(イヌサフラン科)
○ホウチャクソウ(イヌサフラン科)Disporum sessile
山地や丘陵の林内に生え、高さ30~60cmになる多年草です。4~5月、枝先に先端が緑色を帯びた筒状の白花が1~3個垂れ下がります。花の形が寺院の建物の軒に下がる宝鐸(ホウチャク)に似ていることから名付けられました。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁