皇居東御苑花だより(令和5年4月14日)

令和5年4月14日
写真 説明
キンラン(ラン科)
○キンラン(ラン科)Cephalanthera falcata
山地や丘陵の木陰に生える高さ30~50cmの多年草です。4~5月頃、茎先に直径約1cm、黄色い花を10輪ほど咲かせます。花の色から金蘭(きんらん)と名付けられました。
ギンラン(ラン科)
○ギンラン(ラン科)Cephalanthera erecta
山地や丘陵の木陰に生える高さ10~30cmの多年草です。5~6月頃、茎先に咲く3~5輪の白い花は長さ1cmほどで平開しません。花の色から銀蘭(ぎんらん)と名付けられました。
モッコウバラ(バラ科)
○モッコウバラ(バラ科)Rosa banksiae
中国原産で、江戸時代から庭に植えられています。4月下旬~5月頃、枝先に直径約2cm、淡黄色又は白色、八重咲きの花を咲かせます。白花には芳香がありますが、黄花にはありません。
コデマリ(バラ科)
○コデマリ(バラ科)Spiraea cantoniensis
中国原産で、庭や公園によく植えられています。4月~5月、本年枝の先に直径7~10mmの白い花を多数集めて咲かせます。直径2.5~3cmの手まりのような花序が名前の由来です。
コウホネ(スイレン科)
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
キエビネ(ラン科)
○キエビネ(ラン科)Calanthe striata
暖地の林下に生える多年草です。4~5月、エビネの中では大型で、名前のとおり黄色い花を咲かせます。
アメリカヤマボウシ(ミズキ科)
○アメリカヤマボウシ(ミズキ科)Cornus florida
別名ハナミズキとも言います。米国東海岸からメキシコに分布し、1912年にワシントンに贈ったサクラの返礼に日本へ贈られた木として知られます。高さ5~12m、よく分枝し、秋には美しく紅葉し、枝先に赤い実をつけます。
サトザクラ(普賢象)(バラ科)
○サトザクラ(普賢象)(バラ科)Cerasus serrulata‘Albo-rosea’
オオシマザクラ系サトザクラの一種で、室町時代から知られています。直径約5cm、八重の花は、4月中下旬に咲き始め、淡紅色からほぼ白色に変化します。葉化した雄しべを普賢菩薩が乗っていた白象の鼻に見立て、‟フゲンゾウ”と名付けられました。
サトザクラ(御衣黄)(バラ科)
○サトザクラ(御衣黄)(バラ科)Cerasus serrulata‘Gioiko’
オオシマザクラ系サトザクラの一種です。4月中下旬、咲きはじめた黄緑色の花は黄色に変化し、やがて紅色の筋が現れます。昔、天皇が身につけられた衣の色(萌黄色)に因み、‟ギョイコウ”と名付けられました。
シラン(ラン科)
○シラン(ラン科)Bletilla striata
やや湿った岩上や林内に生え、高さ30~70cmになる多年草です。4~5月、花茎の先に薄紫色の花を数輪咲かせます。花の色から紫蘭(しらん)と名付けられました。
コウシンバラ(バラ科)
○コウシンバラ(バラ科)Rosa chinensis
バラの原種の一つで、古くから栽培されています。枝先に四季咲きの花を1~数輪咲かせます。花冠は直径5~7cm、淡紅色~紅色で、基部は白色です。
オドリコソウ(シソ科)
○オドリコソウ(シソ科)Lamium album var. barbatum
東アジアの温帯に広く分布する多年草です。湿った場所で群落をつくり、高さ30~50cmになります。4~6月、上部の葉の脇に、白色又は淡紅紫色、唇形の花を数輪集めて咲かせます。和名は花の形を笠をかぶった踊子に見立てたことよります。
エビネ(ラン科)
○エビネ(ラン科)Calanthe discolor
山地の林内や竹林などに生える多年草です。4~5月、高さ30~40cmの花茎の上部に、萼片が紫褐色、花弁が白色又は淡紫色の花を多数咲かせます。和名は球茎が連なる形をエビに見立てたことによります。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁