皇居東御苑花だより(令和5年4月7日)

令和5年4月7日
写真 説明
サトザクラ(普賢象)(バラ科)
○サトザクラ(普賢象)(バラ科)Cerasus serrulata‘Albo-rosea’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種で、室町時代から知られている代表的品種です。花は直径約5cmの大輪で、4月中下旬に咲き始め、はじめは淡紅色、満開時にはほぼ白色となります。花弁は30~35個で、雌しべ2個が葉化し、その形が普賢菩薩の乗っていたインド象の鼻に似ていることからこの名が付きました。
サトザクラ(御衣黄)(バラ科)
○サトザクラ(御衣黄)(バラ科)Cerasus serrulata‘Gioiko’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種です。4月中下旬に花が咲きます。はじめ緑色の花弁は黄色に変化し、やがて紅色の筋が現れます。昔、天皇が身につけられた着物の色にちなんで‟ギョイコウ”と名付けられ、珍重されています。
サトザクラ(鬱金)(バラ科)
○サトザクラ(鬱金)(バラ科)Cerasus serrulata‘Grandiflora’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種です。名はウコン色に由来し、欧米でも人気があります。4月中下旬、直径約4cm、淡い黄緑色、八重の花がやや垂れ下がって咲きます。
サトザクラ(一葉)(バラ科)
○サトザクラ(一葉)(バラ科)Cerasus serrulata‘Hisakura’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種で、サトザクラの代表的品種の一つです。4月中旬、直径4~5cm、八重の花が垂れ下がって咲き、はじめは淡紅色で満開時は白くなります。
クルメツツジ(ツツジ科)
○クルメツツジ(ツツジ科)Rhododendron Kurume Group
別名はキリシマといいます。古くから各地の庭園などにも植えられ、霧島山ではクルメツツジに極めて近いものがあります。4~5月、枝先に赤色の花を2~3輪咲かせます。葉は互生し、小型で厚いです。
ウワミズザクラ(バラ科)
○ウワミズザクラ(バラ科)Padus grayana
山地に生え、高さ20mになります。4~5月、葉が開いてから本年枝の先に長さ6~8cmの総状花序をつけ、白色5弁の花を多数密に開きます。つぼみや若い果実を塩漬けにして、山菜として利用する地方もあります。
エビネ(ラン科)
○エビネ(ラン科)Calanthe discolor
山地の林内や竹林などに生える多年草です。長さ15~25cmの葉が2~3枚つき、冬も残ります。4~5月、萼片が紫褐色、花弁が白色又は淡紫色の花を咲かせます。名は、地下にある球茎が連なる形をエビに見立てたことに由来します。
ヒメウツギ(アジサイ科)
○ヒメウツギ(アジサイ科)Deutzia gracilis
山地の岩の上などに生え、高さ1~1.5mになります。5~6月、狭い円錐花序に、直径1~1.5cmの白い花を多数咲かせます。花弁は5個、雄しべは10個あります。
オドリコソウ(シソ科)
○オドリコソウ(シソ科)Lamium album var. barbatum
東アジアの温帯に広く分布する多年草です。茎は根もとから群がって直立し、30~50cmになります。花は白色または淡紅紫色の唇形花で、上部の葉のわきにつきます。和名は、踊子草で、花の形が笠をかぶった踊子の姿を思わせることによります。
ホウチャクソウ(イヌサフラン科)
○ホウチャクソウ(イヌサフラン科)Disporum sessile
山地や丘陵の林内に生え、高さ30~60cmになる多年草です。4~5月、白色の花が枝の先に1~3個筒状に垂れ下がり、先端が少し緑色を帯びます。花の形が寺院や五重塔の軒に下がっている宝鐸(ホウチャク)に似ていることから名付けられました。
シロヤマブキ(バラ科)
○シロヤマブキ(バラ科)Rhodotypos scandens
山地に稀に自生し、高さ約2cmになり、よく庭や公園に植えられています。5月、枝先に直径1~1.5cm、白色の花を1輪咲かせます。
ドウダンツツジ(ツツジ科)
○ドウダンツツジ(ツツジ科)Enkianthus perulatus
山地の主に蛇紋岩地帯に稀に自生し、高さ1~3mになります。新緑や紅葉が美しく、庭や植込みによく植えられます。4~5月、直径7~8mm、壷形の白い花を多数吊り下げて咲かせます。
ヒカゲツツジ(ツツジ科)
○ヒカゲツツジ(ツツジ科)Rhododendron keiskei
山地の崖地や水辺などに生え、高さ1~2mになります。枝先に葉を輪生させ、4~5月、その中央に直径約3cm、淡黄色の花を数輪咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁