皇居東御苑花だより(令和5年3月10日)

令和5年3月10日
写真 説明
ダンコウバイ(クスノキ科)
○ダンコウバイ(クスノキ科)Lindera obtusiloba
暖地の山地に生え、まばらに枝分かれして高さ3~7mになります。3~4月、葉に先立って芳香のある黄色い花を咲かせます。材にも芳香があり、楊枝の材料に用いられます。
トサミズキ(マンサク科)
○トサミズキ(マンサク科)Corylopsis spicata
高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などに自生し、高さ2~4mになります。3~4月、葉が広がる前、淡黄色の小花を7~8輪下向きに集めて咲かせます。
コヒガンザクラ(バラ科)
○コヒガンザクラ(バラ科)Cerasus×subhirtella
マメザクラとエドヒガンザクラの雑種とされ、様々な栽培品種があります。春の彼岸の頃、直径2~2.5cm、淡紅色の花を咲かせます。
キブシ(キブシ科)
○キブシ(キブシ科)Stachyurus praecox
日本各地、明るい場所に普通に生え、高さ3~5mになります。3~4月、葉が広がる前、長さ4~10cmの花序を垂らし、長さ7mm程、鐘形、淡黄色の花を連ねて咲かせます。
バイモ(ユリ科)
○バイモ(ユリ科)Fritillaria Thunbergii
中国原産の多年草で、中国では咳止めの薬用植物として栽培されています。3~5月、上部の葉の脇から、花径2~3cm、鐘形、淡黄緑色の花を下向きに咲かせます。
シデコブシ(モクレン科)
○シデコブシ(モクレン科)Magnolia stellata
日当たりの良い湿地に自生し、高さ4~5mになります。3~4月、葉が広がる前、直径7~10cm、白色又はやや淡紅色、多数の花びらをもつ芳香のある花を咲かせます。
カンヒザクラ(バラ科)
○カンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata
別名ヒカンザクラともいいます。3月中旬、濃紫紅色、一重、中輪の花を下向きに咲かせます。釣鐘状に閉じたような形で、花弁は散らず、萼がついたままで落下します。
ヒュウガミズキ(マンサク科)
○ヒュウガミズキ(マンサク科)Corylopsis pauciflora
本州の日本海側を原産とする落葉低木で、誤って日向(ヒュウガ)として名付けられました。3~4月、長さ2cmの短い花序に、黄色い小花を1~3輪咲かせます。
ミツマタ(ジンチョウゲ科)
○ミツマタ(ジンチョウゲ科)Edgeworthia chrysantha
中国、ヒマラヤ原産で、枝が必ず三ツ又に分かれ、高さ1~3mになります。3~4月、葉が出る前、枝先に筒形、黄色の小花を、球形に集めて咲かせます。樹皮は繊維質が強く、和紙や紙幣の原料となります。
リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)
○リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata‘Ryukyu‐hizakura’
東京では、3月中旬、濃紫紅色、一重、中輪の花を下向きに咲かせます。釣鐘状に閉じたような形で、花弁は散らず、萼がついたまま落下します。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科)Magnolia compressa var.compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ、神前に供えられます。2~4月、葉の脇に咲く、芳香のある直径3~4cmの花は白色で、基部は紅色を帯びます。長さ8~14cm、長楕円形の葉は、表面は光沢があり、裏面は有毛です。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1輪開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1輪開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁