皇居東御苑花だより(令和5年2月24日)

令和5年2月24日
写真 説明
サンシュユ(ミズキ科)
○サンシュユ(ミズキ科)Cornus officinalis
中国原産で、江戸時代、薬用として渡来しました。高さ5~10mになり、樹皮は薄く剝がれます。3月~4月上旬、黄色い小花を多数咲かせ、秋には長さ1.5cm、楕円形の果実が赤く熟します。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科)Magnolia compressa var.compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ、神前に供えられます。2~4月、葉の脇に咲く、芳香のある直径3~4cmの花は白色で、基部は紅色を帯びます。長さ8~14cm、長楕円形の葉は、表面は光沢があり、裏面は有毛です。
ウメ(白加賀)(バラ科)
○ウメ(白加賀)(バラ科)Prunus mume‘Shirokaga’
3月頃、白色、一重の中輪の花を咲かせます。大粒の果実は果肉が多く、採果用として人気の品種です。
ウメ(鹿児島紅)(バラ科)
○ウメ(鹿児島紅)(バラ科)Prunus mume‘Kagoshima-ko’
濃紅色の花を咲かせる代表的なウメの品種です。2月中旬~3月、八重、中輪の花が開きます。枝の切り口も紅色です。
ウメ(未開紅)(バラ科)
○ウメ(未開紅)(バラ科)Prunus mume‘Mikaiko’
1月下旬~3月上旬、淡紅色、八重、中輪の花を咲かせます。花のつきが良く、大きくなった蕾が開く前によく落ちるため、この名が付きました。
ツバキカンザクラ(バラ科)
○ツバキカンザクラ(バラ科)Cerasus‘Introrsa’
シナミザクラとカンザクラ又はカンヒザクラの雑種といわれています。3月上旬~3月下旬、葉より早く、直径約3cm、紅色の花を咲かせます。
アケボノアセビ(ツツジ科)
○アケボノアセビ(ツツジ科)Pieris japonica‘Rosea’
有毒植物アセビの品種の一つです。3~5月頃、枝先に淡紅色の壷形の花を多数咲かせます。
カワヅザクラ(バラ科)
○カワヅザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Kawazu‐zakura’
オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種とされ、1974年にカワヅザクラと名付けられました。紫紅色の一重の花を咲かせます。
リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)
○リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulatakannma‘Ryukyu‐hizakura’
東京では、3月中旬、濃紫紅色、一重、中輪の花を下向きに咲かせます。釣鐘状に閉じたような形で、花弁は散らず、萼がついたまま落下します。
フクジュソウ(キンポウゲ科)
○フクジュソウ(キンポウゲ科)Adonis ramosa
2~4月、葉が広がる前に、直径3~4cm、黄色の花を咲かせます。おめでたい名前の福寿草(フクジュソウ)は、新年を祝う、正月用の春飾りによく用いられます。
シナマンサク(マンサク科)
○シナマンサク(マンサク科)Hamamelis mollis
中国原産で、高さ2~9mになります。1~3月、黄金色の花を咲かせます。ひも状の花弁は4本あり、基部の萼は紅色です。長さ8~16cm、倒卵形の葉は黄葉し、花期には枯葉が残ります。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
フキ(フキノトウ)(キク科)
○フキ(フキノトウ)(キク科)Petasites japonicus
地下茎を伸ばして増殖する多年草です。葉が地表に出ないうちに伸びた花茎がフキノトウで、食用とされるほか、昔から薬用とされました。葉柄は煮物などにしてよく食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁