皇居東御苑花だより(令和5年1月20日)

令和5年1月20日
写真 説明
ウメ(玉牡丹)(バラ科)
○ウメ(玉牡丹)(バラ科)Prunus mume‘Gyokubotan’
1月中旬~3月中旬、白色、八重咲きの大輪の花を咲かせます。内側の花弁は小さく、平たく見えます。
ウメ(八重野梅)(バラ科)
○ウメ(八重野梅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-yabai’
1月中旬~2月中旬、白色の花を咲かせます。原種に近い品種で、とても良い香りがします。
ウメ(八重唐梅)(バラ科)
○ウメ(八重唐梅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-tobai’
2月頃、紅色、八重咲きの中輪の花を咲かせます。一つの花から複数の果実が実ります。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。直径5~7mm、球形の果実は、12~3月、赤色に熟します。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
野生種カンヒザクラとヤマザクラ系統の雑種とされています。紅色の蕾は、葉の出る前か同時に開花します。直径2.5~3.5cm、淡紅色の花は、縁がやや濃く、花弁は5枚、蜜が多く、昆虫や野鳥を集めます。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。 
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で、江戸時代に渡来し、観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月、葉が出る前に咲く黄色い花は、内側が赤味を帯び、良い香りがします。 
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox‘Concolor’
中国原産で、庭木や鉢植え、花材としてよく用いられます。 ロウバイよりも花がやや大きく、内側の芯まで黄色くなります。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
タラヨウ(実)(モチノキ科)
○タラヨウ(実)(モチノキ科)Ilex latifolia
暖地の山地に自生し、庭や寺院などに植えられ、高さ20m程になります。葉裏を傷つけて文字が書けるので、ハガキノキの別名があります。初夏、黄緑色の小花を集めて咲かせ、秋、直径6~8mm、球形の果実が赤く熟します。雌雄異株です。
カンツバキ(ツバキ科)
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua‘Shishigashira’
サザンカの園芸品種とされますが、異説もあります。枝は横に広がり、あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯があります。12~2月、直径7~9cm、濃紅色、八重の花を咲かせます。大小10数枚ある花弁は、先端が浅く裂け、縁は波打ち、バラバラに散ります。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に赤色の花が1個ずつ咲きます。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁