皇居東御苑花だより(令和5年1月13日)

令和5年1月13日
写真 説明
ウメ(冬至)(バラ科)
○ウメ(冬至)(バラ科)Prunus mume‘Toji’
冬至の頃に咲くことから名付けられた早咲きのウメの品種です。庭や畑で栽培され、多くの園芸種があり、お正月用盆栽によく用いられます。
ウメ(八重野梅)(バラ科)
○ウメ(八重野梅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-yabai’
1月中旬~2月中旬、白色の花を咲かせます。原種に近い品種で、とても良い香りがします。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
12月下旬~2月上旬、濃い紅色の早咲き、八重咲きで、花弁の先は丸くなっています。花つきがよく、庭木や盆栽によく用いられます。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
野生種カンヒザクラとヤマザクラ系統の雑種とされています。紅色の蕾は、葉の出る前か同時に開花します。直径2.5~3.5cm、淡紅色の花は、縁がやや濃く、花弁は5枚、蜜が多く、昆虫や野鳥を集めます。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。
ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で、江戸時代に渡来し、観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月、葉が出る前に咲く黄色い花は、内側が赤味を帯び、良い香りがします。 
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox‘Concolor’
中国原産で、庭木や鉢植え、花材としてよく用いられます。 ロウバイよりも花がやや大きく、内側の芯まで黄色くなります。
カンツバキ(ツバキ科)
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua‘Shishigashira’
サザンカの園芸品種とされますが、異説もあります。枝は横に広がり、あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯があります。12~2月、直径7~9cm、濃紅色、八重の花を咲かせます。大小10数枚ある花弁は、先端が浅く裂け、縁は波打ち、バラバラに散ります。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に赤色の花が1個ずつ咲きます。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
ハルサザンカ(ツバキ科)
○ハルサザンカ(ツバキ科)Camellia ×vernalis
サザンカとツバキ、主としてサザンカとヤブツバキの園芸品種が、自然交配して生まれた雑種と考えられています。12~4月に開花します。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
ミヤマシキミ(実)(ミカン科)
○ミヤマシキミ(実)(ミカン科)Skimmia japonica var. japonica
林下に生え、高さ0.6~1.2mになります。葉は枝先に集まって互生し、表面は革質で光沢があります。3~5月、枝先に直径5~6mmの白い花を密に咲かせます。直径8~10mm、球形の果実は有毒で、冬に紅く熟します。雌雄異株です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁