皇居東御苑花だより(令和4年12月23日)

令和4年12月23日
写真 説明
ウメ(冬至)(バラ科)
○ウメ(冬至)(バラ科)Prunus mume‘Toji’
冬至の頃に咲くことから名付けられた早咲きのウメで、お正月用盆栽によく用いられます。庭や畑でよく栽培され、多くの園芸種があります。
ウメ(新冬至)(バラ科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬、直径2.5~3cmの白花を咲かせます。花期が長く、盆栽、庭木に適しています。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
濃い紅色の早咲き、八重咲きで、花弁の先は丸くなっています。花つきがよく、庭木や盆栽によく用いられます。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。
カンツバキ(ツバキ科)
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua‘Shishigashira’ glandulosa
サザンカの園芸品種とされますが、異説もあります。枝は横に広がり、あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯があります。12~2月、直径7~9cm、濃紅色、八重の花を咲かせます。大小10数枚ある花弁は、先端が浅く裂け、縁は波を打ち、バラバラに散ります。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に赤色の花が1個ずつ咲きます。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glandulosa
山野に生え、よく分枝して高さ1.5~2mになります。ヤマウグイスカグラの変種で、枝葉、花冠に毛が密生します。春、淡紅色の花を1~2個咲かせます。6~7月、直径約1cm、楕円形の果実は、赤く熟し、甘味があり、食べられます。
タラヨウ(実)(モチノキ科)
○ミヤマシキミ(実)(ミカン科)Skimmia japonica var. japonica
林下に生え、高さ0.6~1.2mになります。葉は枝先に集まって互生し、表面は革質で光沢があります。3~5月、枝先に直径5~6mmの白い花を密に咲かせます。直径8~10mm、球形の果実は有毒で、冬に紅く熟します。雌雄異株です。
ムラサキシキブ(実)(シソ科)
○ムラサキシキブ(実)(シソ科)Callicarpa japonica vat.japonica
山野に生え、高さ2~3mになります。6~7月、淡紫色の花を多数つけます。果実は直径3~4mmの球形で、紫色に熟し、秋が深まり葉が落ちた後も残ります。幹はまっすぐ伸びて強いので、昔から道具の柄や杖などに用いられてきました。
ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)
○ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)Ardisia japonica var.japonica
山地の木陰に地下茎を伸ばして群生し、高さ10~20cmになります。7~8月、葉の腋から白色の花を2~5個下向きに咲かせます。直径5~7mm、球形の果実は、10~11月頃、赤く熟します。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○フユザクラ(バラ科)Cerasus ×parvifolia 'Fuyu-zakura'
マメザクラ系の品種で、4月上旬と10~12月の2回、花を咲かせます。花弁は5枚で、咲き始めはわずかに淡紅色を帯び、後に白色になります。春の花には花弁の先端に切れ込みがありますが、秋の花は切れ込みがないことが多く、逆に凸形になることもあります。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。直径5~7mm、球形の果実は、12~3月、赤く熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁