皇居東御苑花だより(令和4年8月19日)

令和4年8月19日
写真 説明
ツリガネニンジン(キキョウ科)
○ツリガネニンジン(キキョウ科)Adenophora triphylla var. japonica
サイヨウシャジンの変種で日本全土に普通に生える多年草です。根は白く肥厚し、薬用となります。茎は40~100cmになり、全体に毛があります。8~10月、茎頂部に円錐花序を形成し、淡紫色の鐘型の花を下向きに咲かせます。
トウフジウツギ(フジウツギ科)
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先から長さ4~20㎝の花序を出し、長さ1~2㎝、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
ザクロ(実)(ミソハギ科)
○ザクロ(実)(ミソハギ科)Punica granatum
西アジア原産で、高さ5~6mになります。6月頃、直径約5cmの朱赤色の花が開きます。果実は球形で果皮が厚く、10~11月、熟すと不規則に裂けて淡紅色の種が現れます。種の外皮は甘酸っぱい味がします。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林の中に生える多年草です。葉は線形で長さ30~80cm、幅7~15mm、深緑色で厚く光沢があり、縁がざらつきます。花茎は高さ30~50cmあって、7~9月、白色又は淡紫色の花を密につけます。 
○カイコウズ(マメ科)
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6月~9月、長さ7~8㎝程の赤い花を枝先に咲かせます。
タカサゴユリ(ユリ科)
○タカサゴユリ(ユリ科)Lilium formosanum
台湾原産で、日本には園芸用として持ち込まれました。帰化植物として明るい野原でよく育ち、海岸付近から高山帯に至るまで広く見られます。
ヒマワリ(はるかのひまわり)
○ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)Helianthus annuus
北米原産の1年草です。平成17年1月、上皇上皇后両陛下が阪神淡路大震災10周年追悼式典にご出席の際、被災した少女の名に因んだ「はるかのひまわり」の種子が、遺族代表から両陛下に贈られました。皇居東御苑では、両陛下がお育てになったヒマワリを代々受け継いでいます。
ヒツジグサ(スイレン科)
○ヒツジグサ(スイレン科)Nymphaea tetragona
池沼に生える多年生の水草です。水底から葉柄が伸び、光沢のある葉が水面に浮かびます。6~9月、長い花柄の先に白色の清楚な花が1個開きます。未の刻(午後2時)に開くので、未草と呼ばれます。
アサザ(ミツガシワ科)
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を出し、黄色の花を咲かせます。
フヨウ(アオイ科)
○フヨウ(アオイ科)Hibiscus mutabilis
高知県や九州南部などの暖かい沿海地に自生し、高さ1~4mになります。葉は掌状に浅く3~7裂します。7~10月、枝の上部に、直径10~14cm、白色や淡紅色の花が開きます。朝咲いて夕方しぼむ一日花で、毎日次々と開花します。
ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花が1~3個開き、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
サルスベリ(ミソハギ科)
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
コバギボウシ(キジカクシ科)
○コバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldii
日当たりの良い湿地に生える多年草です。7~8月、高さ30~60cmの花茎の先に、長さ4~5cm、淡紫色、漏斗型の花を集めて咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁