皇居東御苑花だより(令和4年3月18日)

令和4年3月18日
写真 説明
キブシ(キブシ科)
○キブシ(キブシ科)Stachyurus praecox
3~4月,葉の出る前,長さ4~10cmの穂状花序を垂らし,長さ7mmの鐘状の淡黄色の花を開きます。山地にごく普通に生え,高さ3~5mになります。
コブシ(モクレン科)
○コブシ(モクレン科)Magnolia kobus var.kobus
3~5月,葉が出る前,枝先に直径6~10cmの芳香のある白い花が咲きます。9~10月に熟した袋果が裂け,赤色の種子が白い糸に吊り下がります。山野に生え,高さ5~18mになります。
シャガ(アヤメ科)
○シャガ(アヤメ科)Iris japonica
4~5月,白紫色の美しい花が多数咲きます。山地の湿った林下,斜面などに大群生する常緑多年草です。
アブラチャン(クスノキ科)
○アブラチャン(クスノキ科)Lindera praecox
3~4月,葉が出る前,淡黄色の小さな花が数輪ずつまとまって咲きます。果実は直径約1.5cmの球形で,10~11月に黄褐色に熟して不規則に裂けます。各地の山地に生え,高さ3~6mになります。
ヒュウガミズキ(マンサク科)
○ヒュウガミズキ(マンサク科)Corylopsis pauciflora
3~4月,葉が出る前,長さ2cmの短い穂状花序に黄色の花が1~3個咲きます。枝はよく分枝し,半球状の樹形で,高さは2~3mになります。
シデコブシ(モクレン科)
○シデコブシ(モクレン科)Magnolia stellata
3~4月,葉が出る前,白色又はやや淡紅色の芳香のある花が咲きます。日当たりの良い湿地に自生し,高さ4~5mになります。
ダンコウバイ(クスノキ科)
○ダンコウバイ(クスノキ科)Lindera obtusiloba
3~4月,葉に先立ち,芳香のある黄色の花を開きます。暖地の山地に生え,まばらに枝分かれして高さ3~7mになります。
トサミズキ(マンサク科)
○トサミズキ(マンサク科)Corylopsis spicata
高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などに自生し,高さ2~4mになります。3~4月,葉が出る前,穂状花序を垂らし,淡黄色の花を7~8個開きます。花弁は5個で長さ7mmのヘラ形です。雄しべも5個で花弁より短めです。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科)Magnolia compressa var.compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ,神前に供えられます。2~4月,葉の脇に咲く,芳香のある直径3~4cmの花は白色で,基部は紅色を帯びます。葉は互生し,長さ8~14cmの長楕円形で,表面は光沢があり,裏面は有毛で灰白色です。
ボケ(バラ科)
○ボケ(バラ科)Chaenomeles speciosa
中国原産で平安時代に渡来しました。,広く庭木として植えられ,多くの園芸品種がありますが,九州などでは野生化しています。赤や白の花を咲かせ,果実は長さ8~10cmの楕円形で,7~8月に黄色に熟します。
○ウメ(豊後)(バラ科)
○ウメ(豊後)(バラ科)Prunus mume‘Bungo’
花は葉より早く咲き、薄紅色,紅色又は白色で直径2.5~4cmです。果実は直径約5cmの球形で,黄赤色に熟し,赤褐色の斑点がつきます。果樹として食用にも栽培されます。
カンヒザクラ(バラ科)
○カンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata
高さ5~7m,別名ヒカンザクラともいいます。葉より早く,1~3月,直径2cmの緋紅色又は桃紅色で直径2cmの花が下向きに咲きます。花は半開状で,蜜が多いです。
○ミツマタ(ジンチョウゲ科)
○ミツマタ(ジンチョウゲ科)Edgeworthia chrysantha
中国,ヒマラヤ原産で,枝先が3つに分かれ,高さ1~2mになります。樹皮は黄褐色で,繊維は和紙や紙幣の原料となります。3~4月,葉に先立って球形の頭状花序を開き,萼は筒形,内側は黄色,外側には白い毛が密生します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁