皇居東御苑花だより(令和4年2月4日)

令和4年2月4日
写真 説明
ウメ(麝香梅)(バラ科)
○ウメ(麝香梅)(バラ科)Prunus mume‘Jakobai’
1月下旬から2月中旬にかけて開花します。花は白く,一重咲きの中輪です。とても良い香りがします。
ウメ(八重野梅)(バラ科)
○ウメ(八重野梅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-yabai’
2月から3月にかけて開花します。原種に近い品種です。とても良い香りがします。
ウメ(玉牡丹)(バラ科)
○ウメ(玉牡丹)(バラ科)Prunus mume‘Gyokubotan’
1月中旬から3月中旬,大輪が開花します。内側の弁は小さく,平たく見えます。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
紅色の早咲き,八重咲きで,花弁の先は丸くなっています。花つきがよく,庭木や盆栽に向くとされます。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
カンヒザクラの雑種とされています。樹皮は黒褐色で,横に割れ,こぶができます。つぼみは紅色で,葉の出る前か同時に開花します。花は直径2.5~3.5cm,淡紅色で縁がやや濃く,花弁は5枚,蜜が多いです。
ウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glabra
山野に普通に生え,よく分枝して高さ1.5~3mになります。樹皮は縦に裂けてはがれ,灰黒色です。4~5月,本年枝の葉腋から伸びた長さ1~2cmの花柄に,淡紅色の花を1~2個下垂します。花冠は長さ1~1.5cmの細い漏斗形で,先端は5裂して平開します。液果は直径約1cmの楕円形で,6月に赤く熟します。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近くで見られますが,自生のものではなく,植えられたものといわれています。20~30cmの花茎を線形で平たい葉の間から出し,芳香のある白花を数個つけます。和名は漢名の水仙の音読みからきています。
ツバキ(白侘助)(ツバキ科)
○ツバキ(白侘助)(ツバキ科)Camellia japonica‘Shiro-wabisuke’
ツバキとチャノキの雑種で,園芸種の一つです。花期は11~3月です。花は白色の一重で,直径4~5cmと小さく,ラッパ状に咲きます。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多く,山地にも生え,大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり,なめらかです。枝先に赤色の花が1個ずつ咲きます。果実は直径4~5cmの球形で,果皮が厚く,熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で,江戸時代に渡来し,観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月,葉が出る前に香りのよい黄色の花を下向き又は横向きに開きます。 
○キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。刺はあっても短く,葉は互生します。初夏から秋に2~3回,花弁が5枚の白い花が咲き,果実は直径2~3cmの球形で,橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが,果皮に甘味と香気があり,食べられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本特産種で,高さ2~4mになります。6月頃,枝先に白い花をつけます。果実は2.5~3cmの扁珠形,果皮は黄色く薄いです。
○ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)
○ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)Ardisia japonica var.japonica
山地の木陰に地下茎を伸ばして群生し,高さ10~20cmになります。7~8月,葉の腋から白色の花を2~5個下向きにつけます。果実は直径5~7mmの球形で,10~11月頃,赤く熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁