皇居東御苑花だより(令和4年1月7日)

令和4年1月7日
写真 説明
ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
江戸時代に渡来し,観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月,葉が出る前に香りのよい黄色の花を下向きまたは横向きに開きます。 
ウメ(新冬至)(バラ科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬にかけて花をつけます。花の色は白く,大きさは2.5~3cmになります。花期が長く,盆栽,庭木いずれにも適しています。
ウメ(冬至)(バラ科)
○ウメ(冬至)(バラ科)Prunus mume‘Toji’
冬至の頃に咲くことから名付けられた早咲きのウメで,お正月用盆栽によく用いられます。中国原産で,庭や畑でよく栽培され,多くの園芸種があります。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
八重寒紅は,紅色の八重咲きで,花弁の先は丸くなっています。花つきがよく,庭木や盆栽に向くとされます。
ウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glabra
山野に普通に生え,よく分枝して高さ1.5~3mになります。樹皮は縦に裂けて剥がれ,灰黒色で,4~5月,本年枝の葉腋から出した長さ1~2cmの花柄に,淡紅色の花を1~2個下垂します。花冠は長さ1~1.5cmの細い漏斗形で,先端は5裂して平開します。液果は直径約1cmの楕円形で6月に赤く熟します。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え,高さ50~80cmになります。葉は長さ6~14cm,薄い革質で光沢があり,縁には粗い鋸歯があります。6~7月,茎の先に2~3個の短い穂状の花序を出します。果実は直径5~6mmの球形で,12~3月に赤色に熟します。
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox‘Concolor’
ロウバイよりも花がやや大きく,内側の花被片も黄色になります。中国原産で,庭木や鉢植え,花材としてよく使われます。
ミヤマシキミ(実)(ミカン科)
○ミヤマシキミ(実)(ミカン科)Skimmia japonica var. japonica
林下に生え,高さ0.5~1mになります。葉は枝先に集まって互生し,表面は革質で光沢があります。3~5月,枝先の円錐花序に直径5~6mmの白い花を密につけます。果実は直径8~9mmの球形で,紅色に熟し,有毒です。雌雄異株です。
ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)
○ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)Ardisia japonica var.japonica
山地の木陰に地下茎を伸ばして群生し,高さ10~20cmになります。7~8月,葉のわきから白色の花を2~5個下向きにつけます。果実は直径5~7mmの球形で,10~11月頃赤く熟します。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。刺はあっても短く,葉は互生します。初夏から秋に2~3回,花弁が5枚の白い花が咲き,果実は直径2~3cmの球形で,橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが,果皮に甘味と香気があり,食べられます。
○スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
マメザクラ系の種類で,4月上旬と10~12月の2回,花が咲きます。花弁は5枚で,咲き始めはわずかに淡紅色を帯び,後に白色になります。春の花には花弁の先端に切れ込みがありますが,秋の花は切れ込みがないことが多く,逆に凸形になることもあります。
カンツバキ(ツバキ科)
○カンツバキ(ツバキ科)Camellia sasanqua‘Shishigashira’
サザンカの園芸品種とされていますが,異説もあります。枝は横に広がり,あまり高くなりません。葉は濃緑色で光沢があり,縁には鋭い鋸歯があります。濃紅色で八重の花は遅咲きで,12~2月に開花し,直径7~9cm,花弁は14~18個で大小があり,先端は浅く裂け,縁は波を打っています。
○タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本特産種で,高さ2~4mになります。6月頃,枝先に白い花をつけます。果実は2.5~3cmの扁珠形,果皮は黄色く薄いです。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁