皇居東御苑花だより(令和6年4月19日)

令和6年4月19日
写真 説明
キンラン
○キンラン(ラン科)Cephalanthera falcata
山地や丘陵の木陰に生える高さ30~50cmの多年草です。4~5月頃、茎先に直径約1㎝、黄色い花を10輪ほど咲かせます。花の色から金蘭(きんらん)と名付けられました。
ギンラン
○ギンラン(ラン科)Cephalanthera erecta
山地や丘陵の木陰に生える高さ10~30cmの多年草です。5月頃、茎先に咲く3~5輪の白い花は長さ1cmほどで平開しません。花の色から銀蘭(ぎんらん)と名付けられました。
コデマリ
○コデマリ(バラ科)Spiraea cantoniensis
中国原産で、庭や公園によく植えられています。4月~5月、本年枝の先に直径7~10㎜の白い花を多数集めて咲かせます。直径2.5~3㎝の手まりのような花序が名前の由来です。
エビネ
○エビネ(ラン科)Calanthe discolor
山地の林内や竹林などに生える多年草です。4~5月、高さ30~40㎝の花茎の上部に、萼片が紫褐色、花弁が白色又は淡紫色の花を多数咲かせます。和名は球茎が連なる形をエビに見立てたことによります。
ウワミズザクラ
○ウワミズザクラ(バラ科)Padus grayana
山地に生え、高さ20mになります。4~5月、葉が開いてから本年枝の先に長さ6~8cmの総状花序をつけ、白色5弁の花を多数密に開きます。つぼみや若い果実を塩漬けにして、山菜として利用する地方もあります。
サトザクラ(御衣黄)
○サトザクラ(御衣黄)(バラ科)Cerasus serrulata‘Gioiko’
オオシマザクラ系サトザクラの一種です。4月中下旬、咲きはじめた黄緑色の花は黄色に変化し、やがて紅色の筋が現れます。昔、天皇が身につけられた衣の色(萌黄色)に因み、‟ギョイコウ”と名付けられました。
サトザクラ(普賢象)
○サトザクラ(普賢象)(バラ科)Cerasus serrulata‘Albo-rosea’
オオシマザクラ系サトザクラの一種で、室町時代から知られています。直径約5cm、八重の花は、4月中下旬に咲き始め、淡紅色からほぼ白色に変化します。葉化した雄しべを普賢菩薩が乗っていた白象の鼻に見立て、‟フゲンゾウ”と名付けられました。
サトザクラ(鬱金)
○サトザクラ(鬱金)(バラ科)Cerasus serrulata‘Grandiflora’
オオシマザクラ系サトザクラの一種です。名はウコン色に由来し、欧米でも人気があります。4月中下旬、直径約4cm、淡い黄緑色、八重の花がやや垂れ下がって咲きます。
ヒメウツギ
○ヒメウツギ(アジサイ科)Deutzia gracilis
山地の岩の上などに生え、高さ1~1.5mになります。5~6月、狭い円錐花序に、直径1~1.5cmの白い花を多数咲かせます。花弁は5個、雄しべは10個あります。
ヒカゲツツジ
○ヒカゲツツジ(ツツジ科)Rhododendron keiskei
山地の崖地や水辺などに生え、高さ1~2mになります。枝先に葉を輪生させ、4~5月、その中央に直径約3cm、淡黄色の花を数輪咲かせます。
シラン
○シラン(ラン科)Bletilla striata
やや湿った岩上や林内に生え、高さ30~70cmになる多年草です。4~5月、花茎の先に薄紫色の花を数輪咲かせます。花の色から紫蘭(しらん)と名付けられました。
○ホウチャクソウ
○ホウチャクソウ(イヌサフラン科)Disporum sessile
山地や丘陵の林内に生え、高さ30~60cmになる多年草です。4~5月、白色の花が枝の先に1~3個筒状に垂れ下がり、先端が少し緑色を帯びます。花の形が寺院や五重塔の軒に下がっている宝鐸(ホウチャク)に似ていることから名付けられました。
ヒョウタンボク
○ヒョウタンボク(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁