皇居東御苑花だより(令和6年3月22日)

令和6年3月22日
写真 説明
アマギヨシノ(バラ科)
○アマギヨシノ(バラ科)Pranus×yedoensis Amagi-yoshino
オオシマザクラとエドヒガンの交雑種です。3~4月、白色、一重、花径3~5cmの大輪の花を咲かせます。
コヒガンザクラ(バラ科)
○コヒガンザクラ(バラ科)Cerasus×subhirtella
マメザクラとエドヒガンザクラの雑種とされ、様々な栽培品種があります。春の彼岸の頃、直径2~2.5cm、淡紅色の花を咲かせます。
クマノザクラ(バラ科)
○クマノザクラ(バラ科)Cerasus Kumanoensis
紀伊半島南部に自生しています。咲く時期はヤマザクラやソメイヨシノより早い、3月中旬で、花色は白~淡紅色です。2018年に国内の野生の桜としておよそ100年ぶりに新種として発表されました。
シャガ(アヤメ科)
○シャガ(アヤメ科)Iris japonica
中国原産の帰化植物で、湿った林下などに群生する常緑の多年草です。3~4月、白紫色のアヤメに似た美しい花を多数咲かせます。
コブシ(モクレン科)
○コブシ(モクレン科)Magnolia kobus var.kobus
山野に生え、高さ5~18mになります。3~5月、枝先に直径6~10cmの芳香のある白い花が咲きます。集合果はこぶが多く、長さ5~10cmになります。9~10月に熟すと袋果が裂け、赤色の種子を白い糸で吊り下げます。
トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)
○トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)Rhododendron wadanum
名前のとおり、関東、中部地方の山地によく見られ、葉は3枚輪生します。4月~6月、葉に先立ち、美しく咲いた花は、10本の長い雄しべが目を引きます。
カジイチゴ(バラ科)
○カジイチゴ(バラ科)Rubus trifidus
3~4月、冬芽から伸びた枝先に、直径3~4cm、白い花を3~5輪咲かせます。6月頃、直径2cm、淡黄色に熟した果実は食べられます。
タチツボスミレ(スミレ科)
○タチツボスミレ(スミレ科)Viola grypoceras var. grypoceras
山野にごく普通に生える多年草です。地下茎は短く横に這い、木質化しています。茎は枝分かれし、ハート型の葉を広げて株をつくり、3~5月、直径1.5~2.5cm、淡紫色の花を咲かせます。
バイモ(ユリ科)
○バイモ(ユリ科)Fritillaria Thunbergii
中国原産の多年草で、中国では咳止めの薬用植物として栽培されています。3~5月、上部の葉の脇から、花径2~3cm、鐘形、淡黄緑色の花を下向きに咲かせます。
シナレンギョウ(モクセイ科)
○シナレンギョウ(モクセイ科)Forsythia viridissima
中国原産で、世界各地に植えられて、高さ2~3mになります。枝垂れるレンギョウと比べ、枝は上向きです。4月、葉に先立ち、直径2.5cm、黄色い花を咲かせます。
アブラチャン(クスノキ科)
○アブラチャン(クスノキ科)Lindera praecox
各地の山地に生え、高さ3~6mになります。3~4月、葉に先立って淡黄色の小さな花を散形状につけます。果実は直径約1.5cmの球形で、10~11月に黄褐色に熟すと不規則に裂けます。アブラチャンのチャンは瀝青のことで、昔、果実や樹皮の油を灯用にしたことによります。
ミヤマシキミ(ミカン科)
○ミヤマシキミ(ミカン科)Skimmia japonica
林下に生え、高さ0.6~1.2mになり、雌雄異株です。葉は枝先に集まって互生し、表面は革質で光沢があります。3~5月、枝先に直径5~6mmの白い花を密に咲かせます。果実は直径8~10mm、球形で、冬に紅く熟し、有毒です。
キブシ(キブシ科)
○キブシ(キブシ科)Stachyurus praecox
日本各地、明るい場所に普通に生え、高さ3~5mになります。3~4月、葉が広がる前、長さ4~10cmの花序を垂らし、長さ7mm程、鐘形、淡黄色の花を連ねて咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁