皇居東御苑花だより(令和6年3月8日)

令和6年3月8日
写真 説明
ダンコウバイ(クスノキ科)
○ダンコウバイ(クスノキ科)Lindera obtusiloba
暖地の山地に生え、まばらに枝分かれして高さ3~7mになります。3~4月、葉に先立って芳香のある黄色い花を咲かせます。材にも芳香があり、楊枝の材料に用いられます。
カワヅザクラ(バラ科)
○トサミズキ(マンサク科)Corylopsis spicata
高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などに自生し、高さ2~4mになります。3~4月、葉が広がる前、淡黄色の小花を7~8輪下向きに集めて咲かせます。
ハクモクレン(モクレン科)
○ハクモクレン(モクレン科)Magnolia denudata
3~4月に開花し、葉が出る前に多きな卵形の純白の花を樹冠いっぱいに咲かせます。花芽は銀色の毛に覆われています。
ミツマタ(ジンチョウゲ科)
○ミツマタ(ジンチョウゲ科)Edgeworthia chrysantha
中国、ヒマラヤ原産で、枝が必ず三ツ又に分かれ、高さ1~3mになります。3~4月、葉が出る前、枝先に筒形、黄色の小花を、球形に集めて咲かせます。樹皮は繊維質が強く、和紙や紙幣の原料となります。
ユキヤナギ(バラ科)
○ユキヤナギ(バラ科)Spiraea thunbergii
川沿いの岩場などに生え、庭や公園によく植えられています。茎は弓状に曲がり、高さ1~1.5mになります。3~4月、前年枝の枝全体に、直径約8mm、白い花を多数咲かせます。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1輪開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。
ツバキカンザクラ(バラ科)
○ツバキカンザクラ(バラ科)Cerasus‘Introrsa’
シナミザクラとカンザクラ又はカンヒザクラの雑種といわれています。3月上旬~3月下旬、葉より早く、直径約3cm、紅色の花を咲かせます。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科) Magnolia compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ、神前に供えられます。2~4月、葉の脇に咲く、芳香のある直径3~4cmの花は白色で、基部は紅色を帯びます。長さ8~14cm、長楕円形の葉は、表面は光沢があり、裏面は有毛です。
サンシュユ(ミズキ科)
○サンシュユ(ミズキ科)Cornus officinalis
中国原産で、江戸時代、薬用として渡来しました。高さ5~10mになり、樹皮は薄く剝がれます。3月~4月上旬、黄色い小花を多数咲かせ、秋には長さ1.5cm、楕円形の果実が赤く熟します。
シナマンサク(マンサク科)
○シナマンサク(マンサク科)Hamamelis mollis
中国原産で、高さ2~9mになります。1~3月、黄金色の花を咲かせます。ひも状の花弁は4本あり、基部の萼は紅色です。長さ8~16cm、倒卵形の葉は黄葉し、花期には枯葉が残ります。
アセビ(ツツジ科)
○アセビ(ツツジ科) Pieris japonica
やや乾燥した山地に生え、高さは2~9mになります。葉は互生し、長さ3~8cmの倒披針形で厚い革質です。縁には鈍い鋸歯があり、両面とも無毛です。3~5月、枝先に円錐花序をだし、白い花が多数垂れ下がって咲きます。花冠は長さ6~8mmの壺形で先は浅く5裂します。
ニワウメ(バラ科)
○ニワウメ(バラ科)Prunus japonica
中国から古い時代に渡来しました。高さは1~2m、葉は互生し卵形または卵状披針形で先は鋭くとがります。4月頃葉より早く、または同時に直径約1.3cmで淡紅色または白色の花が枝に多数咲きます。果実は紫赤色に熟し、食べられます。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科) Camellia japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に1個ずつ咲く赤色の花は、丸ごと落花します。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁