皇居東御苑花だより(令和6年3月1日)

令和6年3月1日
写真 説明
カンヒザクラ(バラ科)
○カンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata
野生種カンヒザクラとヤマザクラ系統の雑種とされています。紅色の蕾は、葉の出る前か同時に開花します。直径2.5~3.5cm、淡紅色の花は、縁がやや濃く、花弁は5枚、蜜が多く昆虫や野鳥を集めます。
カワヅザクラ(バラ科)
○カワヅザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Kawazu-zakura’
オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種とされ、1974年にカワヅザクラと名付けられました。濃いピンク色の一重の花です。
リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)
○リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata‘Ryukyu‐hizakura’
リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)は、カンヒザクラの一品種ですが、花がカンヒザクラのように釣鐘型ではなく、平開することや桃色を帯びて白色に近い花もあるなどの違いがあります。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1輪開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。
ウメ(豊後)(バラ科)
○ウメ(豊後)(バラ科)Prunus mume‘Bungo’
3月中旬~4月上旬、薄紅色、紅色又は白色、八重、大輪の花を咲かせます。果実は直径約5cmの球形、肉厚で、黄赤色に熟し、食用にも適します。
ボケ(バラ科)
○ボケ(バラ科)Chaenomeles speciosa
中国原産で平安時代に渡来し、広く庭木として植えられ、多くの園芸品種があります。九州などでは野生化しています。3~4月、赤や白の花を咲かせ、7~8月、長さ8~10cm、楕円形の果実が黄色に熟します。
ユキヤナギ(バラ科)
○ユキヤナギ(バラ科)Spiraea thunbergii
沿いの岩場などに生え、庭や公園によく植えられています。茎は弓状に曲がり、高さ1~1.5mになります。3~4月、前年枝の枝全体に、直径約8mm、白い花を多数咲かせます。
ヒイラギナンテン(メギ科)
○ヒイラギナンテン(メギ科)Berberis japonica
江戸時代前期に渡来したといわれ、庭木としてよく植えられています。高さ1~3mになり、まばらに枝分かれします。樹皮はコルク質で、材は黄色です。葉は奇数羽状複葉で、茎の先に集まって互生します。小葉は5~9対あり、厚い革質で光沢があり、卵状披針形で、先端は針状に鋭くとがっています。
サンシュユ(ミズキ科)
○サンシュユ(ミズキ科)Cornus officinalis
中国原産で、江戸時代、薬用として渡来しました。高さ5~10mになり、樹皮は薄く剝がれます。3月~4月上旬、黄色い小花を多数咲かせ、秋には長さ1.5cm、楕円形の果実が赤く熟します。
アケボノアセビ(ツツジ科)
○アケボノアセビ(ツツジ科)Pieris japonica‘Rosea’
有毒植物アセビの品種の一つです。3~5月頃、枝先に淡紅色の壷形の花を多数咲かせます。
シナマンサク(マンサク科)
○シナマンサク(マンサク科)Hamamelis mollis
中国原産で、高さ2~9mになります。1~3月、黄金色の花を咲かせます。ひも状の花弁は4本あり、基部の萼は紅色です。長さ8~16cm、倒卵形の葉は黄葉し、花期には枯葉が残ります。
フクジュソウ(キンポウゲ科)
○フクジュソウ(キンポウゲ科)Adonis ramosa
2~4月、葉が広がる前、直径3~4cm、黄色の花を咲かせます。おめでたい名前の福寿草(フクジュソウ)は、新年を祝う、正月用の春飾りによく用いられます。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科)Magnolia compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ、神前に供えられます。2~4月、葉の脇に咲く、芳香のある直径3~4cmの花は白色で、基部は紅色を帯びます。長さ8~14cm、長楕円形の葉は、表面は光沢があり、裏面は有毛です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁