皇居東御苑花だより(令和6年2月16日)

令和6年2月16日
写真 説明
フクジュソウ(キンポウゲ科)
○フクジュソウ(キンポウゲ科)Adonis ramosa
2~4月、葉が広がる前、直径3~4cm、黄色の花を咲かせます。おめでたい名前の福寿草(フクジュソウ)は、新年を祝う、正月用の春飾りによく用いられます。
フキ(フキノトウ)(キク科)
○フキ(フキノトウ)(キク科)Petasites japonicus
地下茎を伸ばして増殖する多年草です。葉が地表に出ないうちに伸びた花茎がフキノトウで、食用とされるほか、昔から薬用とされました。葉柄は煮物などにしてよく食べられます。
ウメ(見驚)(バラ科)
○ウメ(見驚)(バラ科)Prunus mume‘Kenkyo’
2月中旬~3月上旬、薄紅色八重の中輪で直径2.8~3.0cmくらいの花を咲かせます。盆栽や庭木用のウメの品種です。
ウメ(鹿児島紅)(バラ科)
○ウメ(鹿児島紅)(バラ科)Prunus mume‘Kagoshima-ko’
濃紅色の花を咲かせる代表的なウメの品種です。2月中旬~3月、八重、中輪の花を咲かせます。枝の切り口も紅色です。
ウメ(白加賀)(バラ科)
○ウメ(白加賀)(バラ科)Prunus mume‘Shirokaga’
2月頃、白色、一重の中輪の花を咲かせます。大粒の果実は果肉が多く、採果用として人気の品種です。
ウメ(柳川絞)(バラ科)
○ウメ(柳川絞)(バラ科)Prunus mume‘Yanagawa-shibori’
2月中旬~3月上旬、八重、中輪の花は、一本の枝に紅色、白色、絞り模様と咲き分けます。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○カワヅザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Kawazu-zakura’
オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種とされ、1974年にカワヅザクラと名付けられました。濃いピンク色の一重の花です。
リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)
○リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata‘Ryukyu‐hizakura’
リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)は、カンヒザクラの一品種ですが、花がカンヒザクラのように釣鐘型ではなく、平開することや桃色を帯びて白色に近い花もあるなどの違いがあります。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
野生種カンヒザクラとヤマザクラ系統の雑種とされています。紅色の蕾は、葉の出る前か同時に開花します。直径2.5~3.5cm、淡紅色の花は、縁がやや濃く、花弁は5枚、蜜が多く、昆虫や野鳥を集めます。
シナマンサク(マンサク科)
○シナマンサク(マンサク科)Hamamelis mollis
中国原産で、高さ2~9mになります。1~3月、黄金色の花を咲かせます。ひも状の花弁は4本あり、基部の萼は紅色です。長さ8~16cm、倒卵形の葉は黄葉し、花期には枯葉が残ります。
ツバキ(乙姫)(ツバキ科)
○ツバキ(乙姫)(ツバキ科)Camellia japonica‘Otohime’
12~3月に、濃桃色に白斑の入った小ぶりで一重の可憐な花を咲かせます。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に1個ずつ咲く赤色の花は、丸ごと落花します。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁