皇居東御苑花だより(令和6年2月9日)

令和6年2月9日
写真 説明
オニシバリ(ジンチョウゲ科)
○オニシバリ(ジンチョウゲ科)Daphne pseudomezereum
林下に生え、高さ1mになります。葉は枝先に集まって互生します。秋にのびて冬を越し、夏に落葉するので夏坊主ともいわれています。2~4月、葉腋に小さな花を数個つけます。雌雄異株です。
リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)
○リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata‘Ryukyu‐hizakura’
リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)は、カンヒザクラの一品種ですが、花がカンヒザクラのように釣鐘型ではなく、平開することや桃色を帯びて白色に近い花もあるなどの違いがあります。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
野生種カンヒザクラとヤマザクラ系統の雑種とされています。紅色の蕾は、葉の出る前か同時に開花します。直径2.5~3.5cm、淡紅色の花は、縁がやや濃く、花弁は5枚、蜜が多く、昆虫や野鳥を集めます。
ウメ(白加賀)(バラ科)
○ウメ(白加賀)(バラ科)Prunus mume‘Shirokaga’
2月頃、白色、一重の中輪の花を咲かせます。大粒の果実は果肉が多く、採果用として人気の品種です。
ウメ(未開紅)(バラ科)
○ウメ(未開紅)(バラ科)Prunus mume‘Mikaiko’
1月下旬~3月上旬、淡紅色、八重、中輪の花を咲かせます。花のつきが良く、大きくなった蕾が開く前によく落ちるため、この名が付きました。
ウメ(麝香梅)(バラ科)
○ウメ(麝香梅)(バラ科)Prunus mume‘Jakobai’
1月下旬~2月中旬、白色、一重咲きの中輪の花を咲かせます。とても良い香りがします。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に1個ずつ咲く赤色の花は、丸ごと落花します。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
ツバキ(太郎冠者)(ツバキ科)
○ツバキ(太郎冠者)(ツバキ科)Camellia japonica‘Tarôkaja’
12月~4月に一重で紫を帯びた桃色の花を咲かせます。稀れに白斑が入ります。
シナマンサク(マンサク科)
○シナマンサク(マンサク科)Hamamelis mollis
中国原産で、高さ2~9mになります。1~3月、黄金色の花を咲かせます。ひも状の花弁は4本あり、基部の萼は紅色です。長さ8~16cm、倒卵形の葉は黄葉し、花期には枯葉が残ります。
ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で、江戸時代に渡来し、観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月、葉が出る前に咲く黄色い花は、内側が赤味を帯び、良い香りがします。 
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
ハルサザンカ(ツバキ科)
○ハルサザンカ(ツバキ科) Camellia ×vernalis
サザンカとツバキ、主としてサザンカとヤブツバキの園芸品種が、自然交配して生まれた雑種と考えられています。12~4月に開花します。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁