皇居東御苑花だより(令和6年1月19日)

令和6年1月19日
写真 説明
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
野生種カンヒザクラとヤマザクラ系統の雑種とされています。紅色の蕾は、葉の出る前か同時に開花します。直径2.5~3.5cm、淡紅色の花は、縁がやや濃く、花弁は5枚、蜜が多く、昆虫や野鳥を集めます。
ウメ(未開紅)(バラ科)
○ウメ(未開紅)(バラ科)Prunus mume‘Mikaiko’
1月下旬~3月上旬、淡紅色、八重、中輪の花を咲かせます。花のつきが良く、大きくなった蕾が開く前によく落ちるため、この名が付きました。
ウメ(玉牡丹)(バラ科)
○ウメ(玉牡丹)(バラ科)Prunus mume‘Gyokubotan’
1月中旬~3月中旬、白色、八重咲きの大輪の花を咲かせます。内側の花弁は小さく、平たく見えます。
ウメ(新冬至)(バラ科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬、直径2.5~3cmの白花を咲かせます。花期が長く、盆栽、庭木に適しています。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
12月下旬~2月上旬、濃い紅色の早咲き、八重咲きで、花弁の先は丸くなっています。花つきがよく、庭木や盆栽によく用いられます。
ウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glabra
山野に普通に生え、よく分枝して高さ1.5~3mになります。4~5月、本年枝の葉腋から伸びた長さ1~2cmの花柄に、淡紅色の花を1~2個下垂します。花冠は長さ1~1.5cmの細い漏斗形で、先端は5裂して平開します。液果は直径約1cmの楕円形で、6月に赤く熟します。樹皮は縦に裂けてはがれ、灰黒色です。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に1個ずつ咲く赤色の花は、丸ごと落花します。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で、江戸時代に渡来し、観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月、葉が出る前に咲く黄色い花は、内側が赤味を帯び、良い香りがします。
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox f. Concolor
中国原産で、庭木や鉢植え、花材としてよく用いられます。 ロウバイよりも花がやや大きく、内側の芯まで黄色くなります。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。球形の果実は、直径5~7mm、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁