皇居東御苑花だより(令和5年12月28日)

令和5年12月28日
写真 説明
カンツバキ(ツバキ科)
○ハルサザンカ(ツバキ科)Camellia ×vernalis
サザンカとツバキ、主としてサザンカとヤブツバキの園芸品種が、自然交配して生まれた雑種と考えられています。12~4月に開花します。
キンカン(実)(ミカン科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬、直径2.5~3cmの白花を咲かせます。花期が長く、盆栽、庭木に適しています。
キチジョウソウ(キジカクシ科)
○ウメ(紅冬至)(バラ科)Prunus mume‘Kotoji’
紅冬至は、早咲き、中輪一重咲きの淡い紅色のウメで、12月~2月中旬頃まで咲きます。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近く、湿り気のある場所で野生化し、群生が見られます。早春にかけて花茎の先に数個、散状に咲く花は、良い芳香を放ちます。
ナンテン(実)(メギ科)
○ナンテン(実)(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glandulosa
山野に生え、よく分枝して高さ1.5~2mになります。ヤマウグイスカグラの変種で、枝葉、花冠に毛が密生します。春、淡紅色の花を1~2個咲かせます。6~7月、直径約1cm、楕円形の果実は、赤く熟し、甘味があり、食べられます。
ツバキ(白侘助)(ツバキ科)
○ツバキ(白侘助)(ツバキ科)Camellia japonica‘Shiro-wabisuke’
ツバキとチャノキの雑種で、園芸種の一つです。11~3月、直径4~5cm、白色一重、ラッパ状に花を咲かせます。ツバキのようにポトッと散ります。
フユザクラ(バラ科)
○フユザクラ(バラ科)Cerasus ×parvifolia 'Fuyu-zakura'
マメザクラ系の品種で、4月上旬と10~12月の2回、花を咲かせます。花弁は5枚で、咲き始めはわずかに淡紅色を帯び、後に白色になります。春の花には花弁の先端に切れ込みがありますが、秋の花は切れ込みがないことが多く、逆に凸形になることもあります。
ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)
○ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)Ardisia japonica
山地の木陰に地下茎を伸ばして群生し、高さ10~20cmになります。7~8月、葉の腋から白色の花を2~5個下向きに咲かせます。直径5~7mm、球形の果実は、10~11月頃、赤く熟します。
ツバキ(西王母)(ツバキ科)
○ツバキ(西王母)(ツバキ科)Camellia japonica‘Seiobo’
9月~4月に一重の淡桃色の地に紅色のぼかしの花が咲きます。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。球形の果実は、直径5~7mm、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁