皇居東御苑花だより(令和5年11月17日)

令和5年11月17日
写真 説明
ノイバラ(実)(バラ科)
○ノイバラ(実)(バラ科)Rosa multiflora
山野に普通に生え、高さ2m程になります。5~6月、鋭い刺のある枝の先に、直径約3cm、芳香のある白花を多数咲かせます。香水の原料にも使われています。
ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glandulosa
山野に生え、よく分枝して高さ1.5~2mになります。ヤマウグイスカグラの変種で、枝葉、花冠に毛が密生します。春、淡紅色の花を1~2個咲かせます。6~7月、直径約1cm、楕円形の果実は、赤く熟し、甘味があり、食べられます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本固有のカンキツ類で、高さ2~4mになります。6月頃、枝先に白い花を咲かせます。直径2.5~3cmの果実は酸味が強く、生食には向きません。
ツルグミ(グミ科)
○ツルグミ(グミ科)Elaeagnus glabra
温暖な山地に生えるつる性低木です。小枝が変形したトゲを引っかけながら枝を伸ばします。10~11月、葉腋に淡褐色の小花を数個咲かせます。長楕円形の果実は、長さ1.2~1.8cm、翌年5月頃、赤く熟します。
シュウメイギク(キンポウゲ科)
○シュウメイギク(キンポウゲ科)Anemone hupehensis
古く中国から渡来した帰化植物と考えられています。地下茎を伸ばす多年草で、草丈50~80cmになります。秋、花茎を伸ばし、直径5~7cm、淡い紫紅色や白色の花を多数咲かせます。
ナンテン(実)(メギ科)
○ナンテン(実)(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
リュウノウギク(キク科)
○リュウノウギク(キク科)Chrysanthemum makinoi
日当たりのよい山地に生える高さ30~90cmの多年草です。10~11月、白色のちに淡紅色となる花をつけます。和名は花と葉に香料「竜脳(りゅうのう)」に似た香りがすることに由来しています。
ツバキ(西王母)(ツバキ科)
○ツバキ(西王母)(ツバキ科)Camellia japonica‘Seiobo’
9月~4月に一重の淡桃色の地に紅色のぼかしの花が咲きます。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。球形の果実は、直径5~7mm、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
サザンカ(ツバキ科)
○サザンカ(ツバキ科)Camellia sasanqua
九州や四国などの山地に自生し、数多く園芸種もあり、庭や公園によく植えられます。高さは普通5~6mですが、大きいものは15mにもなります。10~12月、枝先に直径4~7cmの花を咲かせます。花弁は5個で平開し、ツバキと異なり、バラバラと散ります。
チャノキ(ツバキ科)
○チャノキ(ツバキ科)Camellia sinensis
鎌倉時代、中国から栄西禅師が持ち帰ったとされ、緑茶用に各地で栽培されています。刈り込まれないと高さ7~8mにもなります。10~11月、直径約2.5cm、5弁の白い花を咲かせます。果実は直径約2cm、熟すと裂け、暗褐色の種子を2~3個出します。
フユザクラ(バラ科)
○フユザクラ(バラ科)Cerasus ×parvifolia 'Fuyu-zakura'
マメザクラ系の品種で、4月上旬と10~12月の2回、花を咲かせます。花弁は5枚で、咲き始めはわずかに淡紅色を帯び、後に白色になります。春の花には花弁の先端に切れ込みがありますが、秋の花は切れ込みがないことが多く、逆に凸形になることもあります。
ツワブキ(キク科)
○ツワブキ(キク科)Farfugium japonicum
海岸や海辺の山などに生える常緑の多年草で、高さ30~70cmになります。園芸種が多数あります。10~12月、直径5cm程の黄色の花を房状に咲かせます。葉はフキに似て厚く、表面に艶があり、この名があります。綿毛をかぶった若い葉柄のつくだ煮が「きゃらぶき」です。葉は焙って、腫れ物などに貼ったりします。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁