皇居東御苑花だより(令和5年8月10日)

令和5年8月10日
写真 説明
コバギボウシ
○コバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldii
日当たりの良い湿地に生える多年草です。7~8月、高さ30~60cmの花茎の先に、長さ4~5cm、淡紫色、漏斗型の花を集めて咲かせます。
カイコウズ
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6~9月、枝先に長さ7~8cm程の赤い花を咲かせます。
ヒマワリ(はるかのひまわり)
○ヒマワリ(はるかのひまわり)(キク科)Helianthus annuus
北米原産の1年草です。平成17年1月、上皇上皇后両陛下が阪神淡路大震災10周年追悼式典にご出席の際、被災した少女の名に因んだ「はるかのひまわり」の種子が、遺族代表から両陛下に贈られました。皇居東御苑では、両陛下がお育てになったヒマワリを代々受け継いでいます。
オミナエシ
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
サルスベリ
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
ホウチャクソウ(実)
○ホウチャクソウ(実)(イヌサフラン科)Disporum sessile
山地や丘陵の林内に生え、高さ30~60cmになる多年草です。4~5月、白色の花が枝の先に1~3個筒状に垂れ下がり、先端が少し緑色を帯びます。花の形が寺院や五重塔の軒に下がっている宝鐸(ホウチャク)に似ていることから名付けられました。
フヨウ(アオイ科)
○フヨウ(アオイ科)Hibiscus mutabilis
高知県や九州南部などの暖かい沿海地に自生し、高さ1~4mになります。葉は掌状に浅く3~7裂します。7~10月、枝の上部に、直径10~14cm、白色や淡紅色の花が開きます。朝咲いて夕方しぼむ一日花で、毎日次々と開花します。
サンゴジュ(実)
○サンゴジュ(実)(ガマズミ科)Viburnum odoratissimum var. awabuki
海岸沿いの山地に自生し、庭や公園によく植えられます。6~7月、枝先に長さ5~15cmの花序を出し、直径5~7mm、盃型の白花を多数咲かせます。8~10月、赤い果軸~果実は名の由来、サンゴを連想させて、藍黒色に熟します。
ゴンズイ(実)
○ゴンズイ(実)(ミツバウツギ科)Euscaphis japonica
山地に生え、高さ5~8mになります。5~6月、枝先のよく分枝した花序に、直径4~5mm、淡黄緑色の花を多数咲かせます。袋状の果実が赤く熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れます。
キョウチクトウ
○キョウチクトウ(キョウチクトウ科)Nerium oleander var. indicum
インド原産で、江戸時代に渡来したとされています。都会や工場の緑化に適した花木として用いられますが、有毒植物です。高さ3~6mになり、6~9月、枝先に直径4~5cm、紅色、淡紅色、白色等の花を多数咲かせます。
コウホネ
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
ハマナス(実)
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花を1~3輪咲かせ、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
ムクゲ
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸品種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁