皇居東御苑花だより(令和5年6月30日)

令和5年6月30日
写真 説明
ヤブカンゾウ(ススキノキ科)
○ヤブカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. kwanso
野原や堤、林縁などに見られる多年草です。80~100cmの花茎の先に、直径約8cm、橙赤色の八重咲きの花を数輪咲かせます。若芽、若葉は食されます。別名ワスレグサ。
ガンピセンノウ(ナデシコ科)
○ガンピセンノウ(ナデシコ科)Lychnis coronata
中国原産の多年草で、鑑賞用に持ち込まれたとされ、古くから茶花として利用されています。6月~8月、橙赤色の美しい花を咲かせます。
キヌタソウ(アカネ科)
○キヌタソウ(アカネ科)Galium kinuta
林内や縁辺に見られる多年草です。輪生する4枚の葉に3本の脈が目立ちます。7~8月、4裂した白い小花を茎の上部に多数咲かせます。和名は、果実を砧(衣類を柔らかくするために使う木槌)に見立てたものとされます。
ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)
○ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)Abelia×grandiflora
中国原産のシナツクバネウツギと欧州産のユニフローラの交配種です。大正末期に渡来し、生垣などに広く植えられています。よく分枝し、高さ1~2mになります。5~11月、枝先にやや淡紅色を帯びた白花を多数咲かせ、淡い芳香を放ちます。別名アベリア。
オオバギボウシ(キジカクシ科)
○オオバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldiana var.sieboldiana
山地の草原や丘陵地などに見られる多年草です。7~8月、漏斗形の淡紫色又は白色の花を多数咲かせます。葉は卵状楕円形、長さ30~40cmになり、新芽の若葉はウルイと呼ばれ、食されます。
ハマナス(実)(バラ科)
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花を1~3輪咲かせ、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
キョウチクトウ(キョウチクトウ科
○リョウブ(リョウブ科)Clethra barbinervis
山林に見られ、高さ8~10mになります。樹皮は茶褐色のまだら模様で、剝がれる薄片を残したまま床柱にも使われます。7~9月、枝先に白い小花を密に咲かせます。若葉は食用になります。
マヤラン(ラン科)
○マヤラン(ラン科)Cymbidium macrorhizon
樹林下で、菌根を形成し、必要な栄養を菌類から得ている腐生植物です。高さ10~30cmになり、7~8月、白色で紅紫色を帯びた1.5cm程の花を咲かせます。和名は、最初の発見地、神戸市摩耶山に因みます。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
トウフジウツギ(フジウツギ科)
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先に長さ4~20cmの花序をつけ、長さ1~2cm、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
ヒョウタンボク(スイカズラ科)
○ヒョウタンボク(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
ハンゲショウ(ドクダミ科)
○ハンゲショウ(ドクダミ科)Saururus chinensis
水辺に白い根茎を伸ばして群生する多年草です。臭気があり、高さ60~100cmになります。6~8月、白い小花が穂状に咲く頃、上部の葉が白くなります。半夏生(7月初旬)の頃、葉を白くするとか、半化粧のように見えるとか、名の由来とされています。
ノカンゾウ(ススキノキ科)
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草で、忘れ草の一種です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁