皇居東御苑花だより(令和5年6月16日)

令和5年6月16日
写真 説明
ノカンゾウ(ススキノキ科)
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。1日花で昼間だけ咲きます。
ハンゲショウ(ドクダミ科)
○ハンゲショウ(ドクダミ科)Saururus chinensis
水辺に白い根茎を伸ばして群生する多年草です。臭気があり、高さ60~100cmになります。6~8月、白い小花が穂状に咲く頃、上部の葉が白くなります。半夏生(7月初旬)の頃、葉を白くするとか、半化粧のように見えるとか、名の由来とされています。
センリョウ(センリョウ科)
○センリョウ(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え、高さ80cm程になります。地下茎から毎年新しい茎を出して株を広げます。6~7月、茎先に2~3個、短い穂状の花序をつけます。直径5~7mm、球形の果実は、12~3月、赤色に熟し、正月飾りにも用いられます。
オカトラノオ(サクラソウ科)
○オカトラノオ(サクラソウ科)Lysimachia clethroides
山野、丘陵などの日当たりの良い草地に見られる多年草で、高さ60~100cmになります。6~7月、白色の小花を多数咲かせた花穂を虎の尾に例え、この名があります。
ノリウツギ(アジサイ科)
○ノリウツギ(アジサイ科)Hydrangea paniculata
日当たりの良い山野に生え、高さ2~4mになります。7~8月、枝先に多数の小さな両性花と直径1~5cmの白色又は淡紅色の装飾花を咲かせます。樹液が和紙作りの糊に利用されていたことが名の由来です。
ハマギク(キク科)
○ハマギク(キク科)Nipponanthemum nipponicum
太平洋岸の崖や砂丘などに見られる日本固有の多年草で、高さ50~100cmになります。秋、枝先に直径6cm程の白花を1輪咲かせます。江戸時代から観賞用に栽培されています。
ホタルブクロ(キキョウ科)
○ホタルブクロ(キキョウ科)Campanula punctata var. punctata
山野に普通に見られる多年草です。6~7月、紅紫色又は白色の鐘状の花を咲かせます。チョウチンバナ、ツリガネソウなど多くの呼び名で親しまれています。ちょうちんの昔の呼び名「火垂る袋」や実際にホタルを入れて遊んだことが名の由来との説があります。
キキョウ(キキョウ科)
○キキョウ(キキョウ科)Platycodon grandiflorum
日当たりの良い山地や野原などに生える多年草で、高さ50~100cmになります。昔からよく栽培され、八重咲きや白花など多様な園芸種があり、根は薬用とされます。7~9月、青紫色の鐘形の花を咲かせます。万葉集に収められた秋の七草の「朝貌(あさがお)」がキキョウとされています。
モクゲンジ(ムクロジ科)
○モクゲンジ(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院によく植えられ、高さ約20mになります。6~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数咲かせます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料になります。
ネムノキ(マメ科)
○ネムノキ(マメ科)Albizia julibrissin
山野、川岸などに見られ、高さ6~10mになります。6~7月の夕刻、枝先に10~20輪の花を咲かせます。規則正しく並んだ小さな葉は、暗くなると合わさるように閉じます。
カイコウズ(マメ科)
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6~9月、枝先に長さ7~8cm程の赤い花を咲かせます。
アジサイ(アジサイ科)
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form.macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
ガクアジサイ(アジサイ科)
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁