皇居東御苑花だより(令和5年6月9日)

令和5年6月9日
写真 説明
ネムノキ(マメ科)
○ネムノキ(マメ科)Albizia julibrissin
山野、川岸などに見られ、高さ6~10mになります。6~7月の夕刻、枝先に10~20輪の花を咲かせます。規則正しく並んだ小さな葉は、暗くなると合わさるように閉じます。
オカトラノオ(サクラソウ科))
○オカトラノオ(サクラソウ科)Lysimachia clethroides
山野、丘陵などの日当たりの良い草地に見られる多年草で、高さ60~100cmになります。6~7月、白色の小花を多数咲かせた花穂が虎の尾の様に見え、この名があります。
コムラサキ(シソ科)
○コムラサキ(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気の多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数咲かせます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。
クチナシ(アカネ科)
○クチナシ(アカネ科)Gardenia jasminoides var.jasminoides
暖地の林縁などに見られ、高さ1~3mになります。6~7月、枝先に芳香のある白花を1輪咲かせます。長さ約2cm、楕円形の果実は5~7個の稜があり、細い萼片を突き出し、10~11月、黄赤色に熟します。クロシン色素を含む実は、染料、薬用、食品の着色料などに使われます。
モクゲンジ(ムクロジ科)
○モクゲンジ(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院に良く植えられ、高さ約20mになります。6~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数咲かせます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料になります。
トウフジウツギ(フジウツギ科)
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先に長さ4~20cmの花序をつけ、長さ1~2cm、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
ハマギク(キク科)
○ハマギク(キク科)Nipponanthemum nipponicum
太平洋岸の崖や砂丘などに見られる日本固有の多年草で、高さ50~100cmになります。秋、枝先に直径6cm程の白花を1輪咲かせます。江戸時代から観賞用に栽培されています。
ナンテン(メギ科)
○ナンテン(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
アジサイ(アジサイ科)
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form.macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
ガクアジサイ(アジサイ科)
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。
カイコウズ(マメ科)
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6~9月、枝先に長さ7~8cm程の赤い花を咲かせます。
タイサンボク(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白花がお椀のように開きます。
ナツツバキ(ツバキ科)
○ナツツバキ(ツバキ科)Stewartia pseudocamellia
山地に見られ、高さ10~20mになります。黒ずんだ赤褐色の樹皮は滑らかで、薄くはがれます。6~7月、直径5~6cmの白花が朝開き、夕方落下します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁