皇居東御苑花だより(令和5年6月2日)

令和5年6月2日
写真 説明
ヒメシャラ(ツバキ科)
○ヒメシャラ(ツバキ科)Stewartia monadelpha
山地に生え、高さ15~20mになります。滑らかな樹皮は淡赤褐色で薄くはがれます。6~8月、葉腋に直径約2cmの白花を咲かせます。
ナツツバキ(ツバキ科)
○ナツツバキ(ツバキ科)Stewartia pseudocamellia
山地に生え、高さ10~20mになります。黒ずんだ赤褐色の樹皮は滑らかで、薄くはがれます。6~7月、直径5~6cmの白花が朝開き、夕方落下します。
トウフジウツギ(フジウツギ科)
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先に長さ4~20cmの花序をつけ、長さ1~2cm、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
ホタルブクロ(キキョウ科)
○ホタルブクロ(キキョウ科)Campanula punctata var. punctata
山野に普通に生える多年草です。6~7月、茎の上部の葉のつけ根に、青紫色の釣鐘状の花を咲かせます。和名は蛍袋の意味で、昔、袋のような花に蛍を入れて遊んだことに由来します。
クマノミズキ(ミズキ科)
○クマノミズキ(ミズキ科)Cornus macrophylla
山地に生え、高さ8~12mになります。6~7月、枝先にミズキに似た小さな白花を多数集めて咲かせます。10月、直径5mm、球形の果実が紫黒色に熟します。
ヒョウタンボク(実)(スイカズラ科)
○ヒョウタンボク(実)(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
ニワトコ(実)(ガマズミ科)
○ニワトコ(実)(ガマズミ科)Sambucus racemosa subsp. sieboldiana
山野に普通に生え、高さ3~6mになり、庭などに植えられます。よく分枝する独特の樹形で、早春の野山で目を引きます。3~5月、枝先に淡黄白色の花を多数集めて咲かせます。梅雨の頃、鮮やかな赤い実が枝先を飾ります。
ガクアジサイ(アジサイ科)
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。
アジサイ(アジサイ科)
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form.macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
カシワバアジサイ(ユキノシタ科)
○カシワバアジサイ(ユキノシタ科)Hydrangea quercifolia
北米東南部に自生する落葉低木です。葉の形が現地のカシワの葉に似ていることから名付けられました。5月~7月、真っ白な花々が円錐形に立ち上がります。
タイサンボク(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白花がお椀のように開きます。
ハアザミ(キツネノマゴ科)
○ハアザミ(キツネノマゴ科)Acanthus mollis
地中海沿岸の岩礫地の斜面に生育し、草丈1~2mになる大型の常緑多年草です。6~8月、長さ60cm程の花序に、長さ4~5cm、筒状の白花を多数咲かせます。
サンゴジュ(実)(ガマズミ科)
○サンゴジュ(実)(ガマズミ科)Viburnum odoratissimum var. awabuki
沿海の山地に自生し、庭や公園によく植えられます。6~7月、枝先に長さ5~15cmの花序を出し、直径5~7mm、盃型の白花を多数咲かせます。8~10月、赤い果軸~果実は名の由来、サンゴを連想させて、藍黒色に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁