皇居東御苑花だより(令和5年5月26日)

令和5年5月26日
写真 説明
サンゴジュ(実)(ガマズミ科)
○サンゴジュ(実)(ガマズミ科)Viburnum odoratissimum var. awabuki
沿海の山地に自生し、庭や公園によく植えられます。6~7月、枝先に長さ5~15cmの花序を出し、直径5~7mm、盃型の白花を多数咲かせます。8~10月、赤い果軸~果実は名の由来、サンゴを連想させて、藍黒色に熟します。
ガクアジサイ(アジサイ科)
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。
アジサイ(アジサイ科)
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form.macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
ムラサキシキブ(シソ科)
○ムラサキシキブ(シソ科)Callicarpa japonica vat.japonica
山野に生え、高さ2~3mになります。6~7月、淡紫色の花を多数咲かせます。直径3~4mm、球形の果実は、紫色に熟し、秋が深まり葉が落ちた後も残ります。幹はまっすぐ伸びて強いので、昔から道具の柄や杖などに用いられてきました。
ウメ(実)(バラ科)
○ウメ(実)(バラ科)Prunus mume
中国原産で、古くから庭や畑でよく栽培され、多くの園芸種があります。花は1~3月、葉に先立って開き、通常白色ですが、紅色、淡紅色のものもあります。果実は梅干しや梅酒に、種は薬用に用いられます。
ナンテン(メギ科)
○ナンテン(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に自生し、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
トウグミ(グミ科)
○トウグミ(グミ科)Elaeagnus multiflora var.hortensis
山野に生え、よく分枝して高さ約4mになります。4月~5月、葉腋に淡黄色の花を咲かせます。6月頃、赤く熟した果実は甘みがあり、食べられます。
カシワバアジサイ(ユキノシタ科)
○カシワバアジサイ(ユキノシタ科) Hydrangea quercifolia
北米東南部に自生する落葉低木です。葉の形が現地のカシワの葉に似ていることから名付けられました。5月~7月、真っ白な花々が円錐形に立ち上がります。
シモツケ(バラ科)
○シモツケ(バラ科)Spiraea japonica
日当たりの良い草地や礫地などに生え、高さ0.2~1mになります。5~8月、枝先に直径3~6mm、淡紅色、薄紫色、白色などの小花を多数集めて咲かせます。
タイサンボク(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20c程もある芳香の強い白花がお椀のように開きます。
ハアザミ(キツネノマゴ科)
○ハアザミ(キツネノマゴ科)Acanthus mollis
地中海沿岸の岩礫地の斜面に生育し、草丈1~2mになる大型の常緑多年草です。6~8月、長さ60cm程の花序に、長さ4~5cm、筒状の白花を多数咲かせます。
ヤマボウシ(ミズキ科)
○ヤマボウシ(ミズキ科)Cornus kousa ssp. Kousa
山野に普通に生え、高さ5~10mになります。6~7月、白い花びらのように見える4枚の葉の中心に淡黄緑色の小花を多数咲かせます。直径1~1.5cmの果実は、10月頃、赤く熟し、食べられます。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、根茎が白骨のように見えるためとも言われます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁