皇居東御苑花だより(令和5年5月19日)

令和5年5月19日
写真 説明
ナンテン(メギ科)
○ナンテン(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に自生し、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
カシワバアジサイ(ユキノシタ科)
○カシワバアジサイ(ユキノシタ科)Hydrangea quercifolia
北米東南部に自生する落葉低木で、葉の形が現地のカシワの葉に似ていることから名付けられました。5月~7月、真っ白な花々が円錐形に立ち上がります。
シモツケ(バラ科)
○シモツケ(バラ科)Spiraea japonica
日当たりの良い草地や礫地などに生え、高さ0.2~1mになります。5~8月、枝先に直径3~6mm、淡紅色、薄紫色、白色などの小花を多数集めて咲かせます。
タイサンボク(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cmほどもある芳香の強い白花がお椀のように開きます。
ハアザミ(キツネノマゴ科)
○ハアザミ(キツネノマゴ科)Acanthus mollis
地中海沿岸の岩礫地の斜面に生育し、草丈1~2mになる大型の常緑多年草です。6~8月、長さ60cm程の花序に、長さ4~5cm、筒状の白花を多数咲かせます。
サイハイラン(ラン科)
○サイハイラン(ラン科)Cremastra appendiculata
山地の木陰などに生える多年草です。地中から直立した30~40cmの花茎に、淡紫褐色の花を10~20輪、咲かせます。和名の采配蘭は、花の様子が戦場で指揮をとる采配に見立てられたものです。
ミヤマウグイスカグラ(実)(スイカズラ科)
○ハマナス(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花が1~3輪開き、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
サツキ(ツツジ科)
○サツキ(ツツジ科)Rhododendron indicum
川岸の岩上に生え、広く栽培もされ、多数の園芸種があります。高さ1mほどになり、5~7月、枝先に朱赤色又は紅紫色の花を1輪、まれに2輪咲かせます。
ウツギ(ユキノシタ科)
○ウツギ(ユキノシタ科)Deutzia crenata var.crenata
山野に普通に生え、生垣や庭木としてもよく植えられます。よく分枝して高さ1.5~2mになります。5月下旬~7月、直径1~1.5cmの白花を密に咲かせます。幹が中空で、空木(ウツギ)の名があります。
カジイチゴ(実)(バラ科)
○カジイチゴ(実)(バラ科)Rubus trifidus
3~4月、冬芽から伸びた枝先に、直径3~4cmの白い花を3~5輪咲かせます。6月頃、直径約2cm、淡黄色に熟した果実は食べられます。
コウホネ(スイレン科)
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
池沼に自生する浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。コウホネ(河骨)の名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われます。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、根茎が白骨のように見えるためとも言われます。
ヤマボウシ(ミズキ科)
○ヤマボウシ(ミズキ科)Cornus kousa ssp. Kousa
山野に普通に生え、高さ5~10mになります。6~7月、白い花びらのように見える4枚の葉の中心に淡黄緑色の小花を多数咲かせます。直径1~1.5cmの果実は、10月頃、赤く熟し、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁