皇居東御苑花だより(令和5年5月12日)

令和5年5月12日
写真 説明
サイハイラン(ラン科)
○サイハイラン(ラン科)Cremastra appendiculata
山地の木陰などに生える多年草です。地中から直立した30~40cmの花茎に、淡紫褐色の花を10~20輪、咲かせます。和名の采配蘭は、花の様子が戦場で指揮をとる采配に見立てられたものです。
バイカウツギ(アジサイ科)
○カジイチゴ(実)(バラ科)Rubus trifidus
3~4月、冬芽から伸びた枝先に、直径3~4cm、白い花を3~5輪咲かせます。6月頃、直径2cm、淡黄色に熟した果実は食べられます。
サツキ(ツツジ科)
○サツキ(ツツジ科)Rhododendron indicum
川岸の岩上に生え、広く栽培もされ、多数の園芸種があります。高さ1mほどになり、5~7月、枝先に朱赤色又は紅紫色の花を1輪、まれに2輪咲かせます。
ウツギ(ユキノシタ科)
○ウツギ(ユキノシタ科)Deutzia crenata var.crenata
山野に普通に生え、生垣や庭木としてもよく植えられます。よく分枝して高さ1.5~2mになります。5月下旬~7月、直径1~1.5cmの白花を密に咲かせます。幹が中空で、空木(ウツギ)の名があります。
ハコネウツギ(スイカズラ科)
○ハコネウツギ(スイカズラ科)Weigela coraeensis
沿海地に自生し、庭木として植えられています。5~6月、枝先や葉腋に白色から赤色に変化する花を1~3輪ずつ咲かせます。
ガマズミ(レンプクソウ科)
○ガマズミ(レンプクソウ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月、枝先に小さな白花を多数咲かせます。9~10月、実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。
ミヤマウグイスカグラ(実)(スイカズラ科)
○ミヤマウグイスカグラ(実)(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glandulosa
山野に生え、よく分枝して高さ1.5~2mになります。ヤマウグイスカグラの変種で、枝葉、花冠に毛が密生します。春、淡紅色の花を1~2輪咲かせます。6~7月、直径約1cm、楕円形の果実は、赤く熟し、甘味があり、食べられます。
センダン(センダン科)
○センダン(センダン科)Melia azedarach
暖地の海岸近くに自生し、街路樹や公園などにもよく植えられています。高さ5~15m、大きい物は30mにもなります。初夏、直径2~3cm、淡紫色の花を咲かせます。
ゴンズイ(ミツバウツギ科)
○ゴンズイ(ミツバウツギ科)Euscaphis japonica
山地に生え、高さ5~8mになります。5~6月、枝先のよく分枝した花序に、直径4~5mm、淡黄緑色の花を多数咲かせます。9~11月、袋状の果実が赤く熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れます。
スイカズラ(スイカズラ科)
○スイカズラ(スイカズラ科)Lonicera japonica
山野や道端に見られる、つる性の低木です。5~6月、枝先の葉腋に2輪ずつ花を咲かせます。初め白色の花はやがて黄色くなります。葉、茎、花は薬用、食用、染料になります。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。
ザクロ(ミソハギ科)
○ザクロ(ミソハギ科)Punica granatum
西アジア原産で、高さ5~6mになります。6月頃、直径約5cm、朱赤色の花を咲かせます。果実は球形で果皮が厚く、10~11月、熟すと不規則に裂けて淡紅色の種が現れます。種の外皮は甘酸っぱい味がします。
ヤマボウシ(ミズキ科)
○ヤマボウシ(ミズキ科)Cornus kousa ssp. Kousa
山野に普通に生え、高さ5~10mになります。6~7月、白い花びらのように見える4枚の葉の中心に小さな花を多数咲かせます。果実は直径1~1.5cmの球形となり、10月頃、赤く熟し、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁