皇居東御苑花だより(令和5年3月31日)

令和5年3月31日
写真 説明
サトザクラ(一葉)(バラ科)
○サトザクラ(一葉)(バラ科)Cerasus serrulata‘Hisakura’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種で、サトザクラの代表的品種の一つです。4月中旬、直径4~5cm、八重の花が垂れ下がって咲き、はじめは淡紅色で満開時は白くなります。
サトザクラ(鬱金)(バラ科)
○サトザクラ(鬱金)(バラ科)Cerasus serrulata‘Grandiflora’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種です。名はウコン色に由来し、欧米でも人気があります。4月中下旬、直径約4cm、淡い黄緑色、八重の花がやや垂れ下がって咲きます。
サトザクラ(関山)(バラ科)
○サトザクラ(関山)(バラ科)Cerasus serrulata‘Sekiyama’
オオシマザクラ系サトザクラ(園芸種)の一種です。世界各国で愛好されているサトザクラの代表的品種の一つで、カンザンとも、セキヤマとも呼ばれます。4月中下旬、直径約5cm、濃紅紫色、八重の花が垂れ下がって咲きます。
ヒカゲツツジ(ツツジ科)
○ヒカゲツツジ(ツツジ科)Rhododendron keiskei
山地の崖地や水辺などに生え、高さ1~2mになります。枝先に葉を輪生させ、4~5月、その中央に直径約3cm、淡黄色の花を数輪咲かせます。
シロヤマブキ(バラ科)
○シロヤマブキ(バラ科)Rhodotypos scandens
山地に稀に自生し、高さ約2cmになり、よく庭や公園に植えられています。5月、枝先に直径1~1.5cm、白色の花を1輪咲かせます。
ヒョウタンボク(スイカズラ科)
○ヒョウタンボク(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
ニワトコ(レンプクソウ科)
○ニワトコ(レンプクソウ科)Sambucus racemosa ssp. sieboldiana
各地の山野に普通に生え、高さ3~6mになり、庭などによく植えられます。よく分枝する独特の樹形で芽出しが早く、早春の野山でよく目を引きます。3~5月、枝先に淡黄白色の花を多数集めて咲かせます。梅雨の頃、鮮やかな赤い実が枝先を飾ります。
ハナカイドウ(バラ科)
○ハナカイドウ(バラ科)Malus halliana
中国原産で、高さ5~8mになります。中国ではボタンに次いで愛好され、4月、枝先に淡紅色の花を4~6輪、美人の形容に使われる程、美しく咲かせます。10~11月、直径約2cm、黄色又は暗紅褐色に熟した果実は食べられます。
ウラシマソウ(サトイモ科)
○ウラシマソウ(サトイモ科)Arisaema thunbergii ssp. Urashima
林下などに生える多年草です。十数枚の小葉からなる葉を広げ、3~5月、ラッパ状の怪しげな花を咲かせます。和名の浦島草は、花から伸びた糸状のものを、浦島太郎の釣り糸に見立てたものです。
ドウダンツツジ(ツツジ科)
○ドウダンツツジ(ツツジ科)Enkianthus perulatus
山地の主に蛇紋岩地帯に稀に自生し、高さ1~3mになります。新緑や紅葉が美しく、庭や植込みによく植えられます。4~5月、直径7~8mm、壷形の白い花を多数吊り下げて咲かせます。
トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)
○トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)Rhododendron wadanum
名前のとおり、関東、中部地方の山地によく見られ、葉は3枚輪生します。4月~6月、葉に先立ち、美しく咲いた花は、10本の長い雄しべが目を引きます。
ヤマブキ(バラ科)
○ヤマブキ(バラ科)Kerria japonica
山地の谷川沿いなど、湿った所に普通に生えるほか、庭などに広く植えられています。4~5月、鮮やかな黄色の花を咲かせ、このような色が山吹色といわれるほど親しまれています。
シャガ(アヤメ科)
○シャガ(アヤメ科)Iris japonica
中国原産の帰化植物で、湿った林下などに群生する常緑の多年草です。3~4月、白紫色のアヤメに似た美しい花を多数咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁