皇居東御苑花だより(令和5年3月24日)

令和5年3月24日
写真 説明
カリン(バラ科)
○カリン(バラ科)Pseudocydonia sinensis
中国原産で、甲信越、東北地方によく植えられています。3~5月、枝先に白や淡紅色の花を咲かせます。10~11月、長さ10~15cm、楕円形又は倒卵形の果実が黄色く熟し、芳香を放ちます。
シダレザクラ(バラ科)
○シダレザクラ(バラ科)Cerasus pendula 'Pendula'
野生種エドヒガンから生まれたサクラで、枝がしだれるのが特徴です。3月下旬~4月上旬、葉に先立ち、2~3輪ずつ咲く、直径2.4~2.6cm、淡紅白色の花は、満開時には白色になります。
ソメイヨシノ(バラ科)
○ソメイヨシノ(バラ科)Cerasus ×yedoensis‘Somei-yoshino’
オオシマザクラとエドヒガンの雑種で、同一の個体から接木して増殖されたものが、観賞用として広く植栽されています。高さは10~15mになります。3~4月、葉に先立ち、淡紅色の花を咲かせます。
ハナカイドウ(バラ科)
○ハナカイドウ(バラ科)Malus halliana
中国原産で、高さ5~8mになります。中国ではボタンに次いで愛好され、4月、枝先に淡紅色の花を4~6輪、美人の形容に使われる程、美しく咲かせます。10~11月、直径2cm、黄色又は暗紅褐色に熟した果実は食べられます。
トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)
○トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)Rhododendron wadanum
名前のとおり、関東、中部地方の山地によく見られ、葉は3枚輪生します。4月~6月、葉に先立ち、美しく咲いた花は、10本の長い雄しべが目を引きます。
シャガ(アヤメ科)
○シャガ(アヤメ科)Iris japonica
中国原産の帰化植物で、湿った林下などに群生する常緑の多年草です。3~4月、白紫色のアヤメに似た美しい花を多数咲かせます。
ヤマブキ(バラ科)
○ヤマブキ(バラ科)Kerria japonica
山地の谷川沿いなど、湿った所に普通に生えるほか、庭などに広く植えられています。4~5月、鮮やかな黄色の花を咲かせ、このような色が山吹色といわれるほど親しまれています。
タチツボスミレ(スミレ科)
○タチツボスミレ(スミレ科)Viola grypoceras var. grypoceras
山野にごく普通に生える多年草です。地下茎は短く横に這い、木質化しています。茎は枝分かれし、ハート型の葉を広げて株をつくり、3~5月、直径1.5~2.5cm、淡紫色の花を咲かせます。
バイモ(ユリ科)
○バイモ(ユリ科)Fritillaria Thunbergii
中国原産の多年草で、中国では咳止めの薬用植物として栽培されています。3~5月、上部の葉の脇から、花径2~3cm、鐘形、淡黄緑色の花を下向きに咲かせます。
キブシ(キブシ科)
○キブシ(キブシ科)Stachyurus praecox
日本各地、明るい場所に普通に生え、高さ3~5mになります。3~4月、葉が広がる前、長さ4~10cmの花序を垂らし、長さ7mm程、鐘形、淡黄色の花を連ねて咲かせます。
クサボケ(バラ科)
○クサボケ(バラ科)Chaenomeles japonica
日当たりのよい山野に生え、高さ0.3~1mになります。茎の下部は地に伏し、地下茎になります。3~4月、直径約2.5cm、朱赤色の花を2~4輪集めて咲かせます。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1輪開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。
シナレンギョウ(モクセイ科)
○シナレンギョウ(モクセイ科)Forsythia viridissima
中国原産で、世界各地に植えられて、高さ2~3mになります。枝垂れるレンギョウと比べ、枝は上向きです。4月、葉に先立ち、直径2.5cm、黄色い花を咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁