皇居東御苑花だより(令和5年3月3日)

令和5年3月3日
写真 説明
ウメ(豊後)(バラ科)
○ウメ(豊後)(バラ科)Prunus mume‘Bungo’
3月中旬~4月上旬、薄紅色、紅色又は白色、八重、大輪の花を咲かせます。果実は直径約5cmの球形、肉厚で、黄赤色に熟し、食用にも適します。
ウメ(紅千鳥)(バラ科)
○ウメ(紅千鳥)(バラ科)Prunus mume‘Benichidori’
2月下旬~3月上旬、濃紅色、一重、中輪の花を咲かせます。雄しべが弁化して、花弁の中を千鳥が飛んでいるように見えることが名の由来です。
カンヒザクラ(バラ科)
○カンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata
別名ヒカンザクラともいいます。3月中旬、濃紫紅色、一重、中輪の花を下向きに咲かせます。釣鐘状に閉じたような形で、花弁は散らず、萼がついたままで落下します。
カワヅザクラ(バラ科)
○カワヅザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Kawazu-zakura’
オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種とされ、1974年にカワヅザクラと名付けられました。濃いピンク色の一重の花です。
リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)
○リュウキュウカンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulatakannma‘Ryukyu‐hizakura’
東京では、3月中旬、濃紫紅色、一重、中輪の花を下向きに咲かせます。釣鐘状に閉じたような形で、花弁は散らず、萼がついたまま落下します。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1個開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。
ミツマタ(ジンチョウゲ科)
○ミツマタ(ジンチョウゲ科)Edgeworthia chrysantha
中国、ヒマラヤ原産で、枝が必ず三ツ又に分かれ、高さ1~3mになります。3~4月、葉が出る前、枝先に筒形、黄色の小花を、球形に集めて咲かせます。樹皮は繊維質が強く、和紙や紙幣の原料となります。
フクジュソウ(キンポウゲ科)
○フクジュソウ(キンポウゲ科)Adonis ramosa
2~4月、葉が広がる前、直径3~4cm、黄色の花を咲かせます。おめでたい名前の福寿草(フクジュソウ)は、新年を祝う、正月用の春飾りによく用いられます。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科)Magnolia compressa var.compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ、神前に供えられます。2~4月、葉の脇に咲く、芳香のある直径3~4cmの花は白色で、基部は紅色を帯びます。長さ8~14cm、長楕円形の葉は、表面は光沢があり、裏面は有毛です。
シナマンサク(マンサク科)
○シナマンサク(マンサク科)Hamamelis mollis
中国原産で、高さ2~9mになります。1~3月、黄金色の花を咲かせます。ひも状の花弁は4本あり、基部の萼は紅色です。長さ8~16cm、倒卵形の葉は黄葉し、花期には枯葉が残ります。
フキ(フキノトウ)(キク科)
○フキ(フキノトウ)(キク科)Petasites japonicus
地下茎を伸ばして増殖する多年草です。葉が地表に出ないうちに伸びた花茎がフキノトウで、食用とされるほか、昔から薬用とされました。葉柄は煮物などにしてよく食べられます。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多く、山地にも生え、大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり、なめらかです。枝先に1個ずつ咲く赤色の花は、丸ごと落花します。果実は直径4~5cmの球形で、果皮が厚く、熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
サンシュユ(ミズキ科)
○サンシュユ(ミズキ科)Cornus officinalis
中国原産で、江戸時代、薬用として渡来しました。高さ5~10mになり、樹皮は薄く剝がれます。3月~4月上旬、黄色い小花を多数咲かせ、秋には長さ1.5cm、楕円形の果実が赤く熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁