皇居東御苑花だより(令和4年9月22日)

令和4年9月22日
写真 説明
ガマズミ(実)(レンプクソウ科)
○ガマズミ(実)(レンプクソウ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月、枝の先端から小さな白い花を多数咲かせます。9~10月、実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。
ヒガンバナ(ヒガンバナ科)
○ヒガンバナ(ヒガンバナ科)Lycoris radiata
人里近くに群生する多年草です。中国から渡来して広がったといわれます。高さ30~50cmの花茎に赤色の花を輪状に咲かせます。花の後、線形の葉を広げ、冬の間に球根に養分を蓄えます。和名は彼岸の頃に花が咲くことに因みます。
シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナ科)
○シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナ科)Lycoris ×albiflora
ヒガンバナとショウキズイセンとの自然交雑種といわれています。白色の花被片はヒガンバナほど反り返りません。ヒガンバナと同様、花期には葉がなく、花茎の先に5~10個の花を咲かせます。
ジュウガツザクラ(バラ科)
○ジュウガツザクラ(バラ科)Cerasus ×subhirtella‘Autumnalis’
4月上旬と10~12月の2回、二季咲きのサクラです。花は白色のものが多く、淡~濃紅色などもあります。秋、冬に咲く花は小形で、春に咲く花はやや大形になります。
コムラサキ(実)(シソ科)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
山麓や原野の湿気の多い場所を好み、高さ1~1.5mになります。6~8月、葉の脇から伸びた花軸に淡紫色の小花を多数つけます。9~11月、直径約3mmの果実は、紫色に熟します。
ススキ(イネ科)
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られ、高さ1~2mになる大形の多年草です。2個ずつ対となる小穂を密に付けた花穂は、長さ20~30cm、白色又は黄褐色、時に紫色を帯びます。秋の七草の一つで、尾花とも呼ばれ、茅の一種です。
フヨウ(アオイ科)
○フヨウ(アオイ科)Hibiscus mutabilis
高知県や九州南部などの暖かい沿海地に自生し、高さ1~4mになります。葉は掌状に浅く3~7裂します。7~10月、枝の上部に、直径10~14cm、白色や淡紅色の花が開きます。朝咲いて夕方しぼむ一日花で、毎日次々と開花します。 
ウメモドキ(実)(モチノキ科)
○ウメモドキ(実)(モチノキ科)Ilex serrata
山中や湿地に生える落葉低木です。6月頃、葉の付け根に淡紫色の花を咲かせます。直径約5mm、球形の果実は赤く熟し、小鳥が好んで食べます。晩秋から初冬にかけて、枝いっぱいに残る実が美しいことから、庭木としてよく植えられます。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林内に生える多年草です。長さ30~80cm、幅7~15mmの線形の葉は厚く、光沢のある深緑色です。7~9月、高さ30~50cmに伸びた花茎の先に、白色又は淡紫色の小花を咲かせます。 
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などによく植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花が開きます。一輪一輪一日で散る1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸種があります。直径約2.5cmの球形の実は、熟すと5裂し、長い毛のある種子が現れます。
ヤマハギ(マメ科)
○ヤマハギ(マメ科)Lespedeza bicolor var.bicolor
山地に生え、高さ約2mになります。庭によく植えられるミヤギノハギとは異なり、枝はほとんど枝垂れません。6~9月、直径1cm程、紅紫色の蝶形の小花を咲かせます。秋の七草の一つです。
ザクロ(実)(ミソハギ科)
○ザクロ(実)(ミソハギ科)Punica granatum
西アジア原産で、高さ5~6mになります。6月頃、直径約5cmの朱赤色の花が開きます。果実は球形で果皮が厚く、10~11月、熟すと不規則に裂けて淡紅色の種が現れます。種の外皮は甘酸っぱい味がします。
カシワバハグマ(キク科)
○カシワバハグマ(キク科)Pertya robusta
山地の林内に生える高さ30~70cmの多年草です。9~11月、茎の上部に、白っぽい小花が集まって形成された頭花を穂状につけます。名前の由来となったハグマ(白熊)とは、ヤクの尾の毛のことで、払手(ほっす:僧が法事の時に持つはたきに似た仏具)などに使われます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁