皇居東御苑花だより(令和4年7月8日)

令和4年7月8日
写真 説明
ヤマユリ(ユリ科)
○ヤマユリ(ユリ科)Lilium auratum var.auratum
日本特産のユリで、高さ1~1.5mになります。6~8月、直径15~18cmある白い花を咲かせ、強い芳香を放ちます。地下茎はユリ根として食用になります。
オニユリ(ユリ科)
○オニユリ(ユリ科)Lilium lancifolium var.lancifolium
田の畦、路傍など人里近くに見られる多年草です。7~8月、1~2mの茎の先端に直径10~12cmの花を4~20個咲かせます。葉の脇に黒紫色のりん片からなるムカゴをつけます。
キンカン(ミカン科)
○キンカン(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花が咲きます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
オミナエシ(オミナエシ科)
○オミナエシ(オミナエシ科)Patrinia scabiosaefolia
日当たりの良い草原などに生える多年草で、高さ約1mになります。7~10月、黄色の小さな花を多数咲かせます。秋の七草の一つです。
○ハマナス(実)(バラ科)
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落をつくります。高さ1~1.5mで、枝に細かい刺がびっしり生えます。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花が1~3個開き、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
モクゲンジ(実)(ムクロジ科)
○モクゲンジ(実)(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院に良く植えられ、高さ約20mになります。7~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数つけます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料にもなります。
サルスベリ(ミソハギ科)
○サルスベリ(ミソハギ科)Lagerstroemia indica
中国原産で、江戸時代以前に渡来しました。高さ3~9mになります。淡褐色の薄い樹皮がはげ落ちた幹は滑らかです。7~9月、枝先に直径3~4cmの紅紫色又は白色の花が次々と開きます。花期が長く、百日紅(ヒャクジツコウ)の別名もあります。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに良く植えられ、よく分枝し、高さ3~4mになります。7~10月、枝先に直径6~10cmの花を開きます。一輪一輪一日で散る1日花で、紅紫色や白色、 八重咲きなど多くの園芸種があります。直径約2.5cmの球形の実は、熟すと5裂し、長い毛のある種子が現れます。
キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
○キョウチクトウ(キョウチクトウ科)Nerium oleander var. indicum
インド原産で、江戸時代に渡来したといわれます。都会や工場の緑化に適した花木として用いられますが、有毒植物です。高さ3~6mになり、6~9月、枝先に直径4~5cm、紅色、淡紅色、白色等の花を多数咲かせます。
ヤブカンゾウ(ススキノキ科)
○ヤブカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. kwanso
野原や堤、林縁などに生える多年草です。80~100cmの花茎の先に、直径約8cm、橙赤色の八重咲きの花を数個咲かせます。若芽、若葉は食されます。別名ワスレグサ。
キキョウ(キキョウ科)
○キキョウ(キキョウ科)Platycodon grandiflorum
日当たりの良い山地や野原などに生える多年草で、高さ50~100cmになります。昔からよく栽培され、八重咲きや白花など園芸種は多様で、根は薬用とされます。7~9月、青紫色の鐘形の花を咲かせます。万葉集に収められた秋の七草の「朝貌(あさがお)」がキキョウとされています。
ノカンゾウ(ススキノキ科)
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草です。7~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を10個ほど、昼間だけ開きます。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に黄色い花を1個咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁